![]() | 愛と幻想のファシズム〈上〉 (講談社文庫) 村上 龍 講談社 1990-08 by G-Tools |
いま、上巻を読み終えたところ。恐慌後の世界を描いていることもあって、今の情勢とシンクロしてたりして、そういう意味でかなり興味深いです。かなり、よくできた小説で面白いのはたしかなんですけど、村上龍独特のえぐい暴力性みたいなのは、やっぱきついかなあと。
たとえば、邪魔になった人間を薬を使って次々と廃人にしていくんですけど、これにはさすがに吐き気がする。
暴力というものには、たしかに人間というものの尊厳を毀損する要素があるわけですけど、この人って、そういう暴力の身もふたもなさについて良くも悪くも直球だなと。それが村上龍の文学性を担保しているのかどうかは知りませんけど。
ところで、この暴力性って、なにかに似てるなあと思ったんですけど、アレだ。バキだ。
漫画のバキシリーズもこうした暴力の持つ身もふたもなさがあって、それが原因であの漫画をちゃんと読んだことがないです。拒否反応が出ちゃって。
もともと自分は格闘技ファンなんで、そうした暴力の描きかたに共感できるところもないわけじゃない。というか、暴力というものは人を支配し、また支配されるという、極めて直接的な関係性を余儀なくするものだと思ってます。
ひょっとしたら近親憎悪みたいなもんなものなのかもしれないです。自分の感性に近いものほど、読むのが嫌だっていう。
バキをネタ半分として消費する向きが一般的に見えるんですけど、自分にはああいう消費の仕方はできないなあ。


