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2007年01月12日

萌える名前の作り方番外編その1

[実は、この萌える名前の作り方で書いてきた、「名前のつけ方」と同様の手法を使って主人公の名前をつけている小説のジャンルがあるのです。
その小説のジャンルとはなんでしょう?
ってのが次回書くことです。]

これが、前回の最後の文でした。

さて、この小説のジャンルを言うまえに、この小説ジャンルに含まれる主人公たちの名前を書き出してみましょう。


金田一耕助
明智小五郎
法水麟太郎
浅見光彦
神津 恭介
御手洗潔
神宮寺三郎(これはゲームですが)


私は、萌える名前を作るには、レアな名字のほうがポイントが高いと書きました。
どうでしょう?
レアな名字のオンパレードです。
普通の名字を探すのがむずかしいくらい。

もうお分かりいただけたかとは思いますが、その小説のジャンルとは「探偵小説」です。
(他にも推理小説といったり、ミステリと呼ぶこともありますが、私は探偵小説っていう言い方がいちばん好きです。なんか、胡散臭いでしょ?探偵小説って呼び方)

マンガ、アニメと近いライトノベルを除けば、こうした名前のつけ方をしているのは、たぶん探偵小説だけだと思います。

たとえば、夏目漱石や村上春樹の小説に、こんなけったいな名字の主人公が出てくるでしょうか?
漱石の小説の主人公が金田一とか法水とかいった名字だったりしたら、あからさまに「変」だと思いませんか?
「明暗」の主人公が金田一とかだったりしたら
「プッ、なにその変な名字(失笑)」と思ってしまうはずです。

村上春樹の小説にいたっては、ほとんどが一人称で書かれているせいもあって、主人公の名字すら覚えてません。
というか、主人公の名字自体が出てこないことが多いです。

「金田一君って、独特のユーモアのセンスがあるのね」

なんてセリフが「ノルウェーの森」に出てきたとしたら、ノルウェーの森に佐清(すけきよ)が徘徊しはじめてしまいます。
そんなの断じて許しません!(ノルウェーの森ってそういうことじゃないですけどね)

なぜ探偵小説だけが、萌える名前の作り方と同じ手法で名探偵の名前をつけているのでしょう?
それには探偵小説がどういう小説ジャンルなのかを知らなければいけません。

探偵小説の最大の魅力というのはなんでしょうか?
それはもちろん、「謎解き」です。

どう考えても解決不可能に見えた難事件が、名探偵の卓越した知性によって見事解決する。
そこが探偵小説の最大の見せ場です。

この見せ場というものには、二つの意味あいがあります。

一つは小説家と読者の知恵比べという意味合いです。
探偵小説のなかには、「読者への挑戦状」なんてものが挟まれていることもあります。
あれを最初にやったのは、エラリィ・クイーンでしたかね。
小説家が、物語のなかに色々な謎、伏線をしかけておいて、読者がそれを見破って真相に近づけるかどうかという、一種の知的遊戯です。

ちなみに私はこれが嫌いです。
なぜって、小説家が勝手に決めたルールで、相撲をとらされてるわけですから。
登場人物が右利きか左利きかなんて覚えてねーよ。こちとら、そんな細かいところまで覚えられる繊細な脳みそ持ってねーんだよ!
なんてふうに憤りを感じてしまうのです。
自慢じゃありませんが、私はいままで探偵小説を読んで、推理があたったことなんて一度もありません。あはは。


・・・・あ?そーいえば私もいちおう名探偵でした(つーか、この設定、もはやぜんぜん意味ないんですけど・・・)。
ですが、実際の事件は小説とは違いますから(まだ、その設定まもるつもりらしい、がんばれ、ふぁいと・おー)。


見せ場のもう一つの意味合いは名探偵の活躍を楽しむ、というものです。
難事件というのは、カオス(混沌)です。
普通じゃ考えられないことが起こります。

密室殺人だったり、登場人物すべてにアリバイがあったり、ものすごく変な死に方をしたり(逆さまになっている、首がちょん切られている等々)。
ふつうの常識ではありえないことが起きて、人々は困惑し、混乱します。
どうしたって、この謎は解けそうにないからです。
人間というものは、目の前でわけのわからないことが起こると不安になります。
しかも、この場合は殺人事件なのだからなおさらです。
殺害方法が謎に包まれたままの状態であるということは、「自分だっていつ殺されるのかわからない」ということですから。
だから、登場人物(それに読者)は、不条理な死の不安におびやかされています。

しかし、心配はいりません。
そのうち、名探偵が登場してくるからです。
まあ、名探偵が登場してきたところで、2、3人の追加死人がでることは覚悟しなきゃいけませんが、名探偵というのは必ず事件を解決してくれます。
まったく解決不能にみえていた数々の謎を、名探偵たちは超人的な推理で解き明かし、そのうえ懇切丁寧な解説までつけてくれます。
いままで、カオスが渦巻いていた無秩序な物語空間は、ごく普通の物理原則が通用する、われわれの見慣れた日常へ回帰するのです。

こうした離れ業をやってのけるくらいですから、名探偵というものは「超人的」でなければなりません。
年金の受取額の大小に頭を悩ます、普通のおっさんであっては困るのです。
カオス(非日常)を収束させ、平穏な日常を取り戻す役割が名探偵なわけです。
つまり、非日常と日常の境目に、名探偵は立っているわけです。
そのような特殊な立ち位置の人間が、どうして平凡でいられるでしょう。

ここでは「平凡」という言葉を使いましたが、これは、「ごく普通に生きている我々のような存在」というくらいの意味です。
普通の日常にどっぷりとつかりながら生きている我々とは質的に異なる特殊な人間、それが名探偵なのです。

なんか抽象的すぎてわかりづらいので、もっと簡単に言うと、名探偵というのは「架空の物語のなかでだけ存在しうるキャラクター」だということです。
探偵小説というのは、形式的にはその名のとおり「小説」なわけですが、こういう視点から見ると、夏目漱石とか村上春樹の小説とはかなりかけはなれた存在です。
むしろ、ドラゴンボール、ナルトとかのマンガのほうに近い。
孫悟空やナルトが、「選ばれた特別の存在」であるように、名探偵というのも選ばれた特別な存在なのです。

漱石の小説を読んで、「キャラ萌え」という感情が発動されることはまずないですよね。
だけど、マンガ、アニメなら「キャラ萌え」は発動します。
では、探偵小説は?
ばりばりにキャラ萌えします。
探偵小説にでてくる探偵は、すべてがそうだとは言えませんが、変人奇人ぞろいです。
もし、こんなやつが実在してたら、きっと生活するの大変だよ、と思わせてくれる濃いキャラクターの持ち主が多い。
奇人変人タイプでない場合は、浅見光彦のように、お洒落でハンサムという、女にキャーキャー言われるタイプなんてのもあります。
これなんか、アニメ用語に変換すると、腐女子むけってことですね。

長くなったので、続きは明日にでもアップします。



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この記事へのコメント
こんにちは。
先日私も徹夜でフルメタルぱにっくTSRまで見終わりました。
この主人公もある意味「奇人変人」であり、超人的であって、選ばれた存在(アーバレスト搭乗出来るのも主人公だけ)でありますよね。
名前も
さがらそうすけ(漢字解らず、、、)
千鳥 要
テレサ テスタロッサ  

等、珍しい名前が多かったです。

探偵小説と関連性はあるのでしょうか?
Posted by ふうのしん at 2007年01月13日 17:52
たしかにフルメタルパニックはキャラクター性の強いアニメです
相良宗介の軍事オタクぶりとか、
ロリっ娘なのに「大佐」なテッサとか。
しかし、じつは名探偵のほうが、彼らよりもつきぬけたキャラクターなのです。
それは、今日アップするものを読めば分かってもらえるんじゃないかと思います。
Posted by 万五郎 at 2007年01月13日 20:10
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