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2007年02月04日

秘密さえ設定しときゃ、、、の蛇足 涼宮ハルヒ

正面きって書いたことはないものの、なんかちょくちょく涼宮ハルヒのことについて書いてるのですが、以前エウレカの記事でこんなことを書いてました。
(これは、アニメのことについて書いたものではなくて、小説のほうのことです)


(前略)この小説を読んだことがある人なら分かるように、キョンの感情はこんなふうに流れてはいません。
ハルヒよりもむしろ、長門に対する感情のほうがあらわになってる感じがしてしまいます。
これは、ある意味では失敗作ということになるのですが、あの小説全体がちょっとおかしいんですよね。
主人公の感情は、明らかにハルヒよりも長門のほうに向かいつつあるように感じとれてしまいます。
どうなるんでしょ?これ。
(引用終わり)


この小説は、「涼宮ハルヒの○○」というタイトルで8冊だか9冊だか、出版されています。
この一巻の最後が、アニメ版でのラストにあたるところで、キョンがハルヒにキスするところで終わってるのは皆さんご存知のとおり。

ところが、そのあと小説が何冊もでてるにもかかわらず、ハルヒとキョンの仲はぜんぜん進展しません。
これが不思議で仕方なかったのです。
メインヒロインであるはずのハルヒとの関係が深まらないのに、長門には妙に感情移入しだすキョンの感情の動き方が。
以前書いたとおり、「消失」ではハルヒが消失するのに、読後感では、長門メインの話であるかのように感じてしまうくらいですから。

ハルヒとの仲が深まり、それと同時に長門とも、ってことなら、ラブコメ的な三角関係で理解しやすいのですが、そうはなってませんし。

以前はそれが理解できなかったのですが、最近ラブコメの作り方を書いていて、やっと合点がいった次第。
つーか、なぜこんな簡単なことに気づかなかったのか自分でも不思議なくらいです。


この涼宮ハルヒシリーズってのは、ハルヒに隠された「秘密」をめぐってストーリーが進展していきます。
この秘密を知っているのは、キョン、朝比奈みくる、長門有希、古泉一樹の四人です。
ところが、ハルヒ自身はこの秘密を知りません。
自分の身に秘密が隠されているのですが、ハルヒ自身がその秘密を知ったらエラいことになるという設定になっていて、それでハルヒだけがこの秘密を知らされていないわけです。

私は「ラブコメの作り方 その一」で、登場人物が秘密を抱えていると、二つの効果が出るということを書きました。

1 秘密の存在によって、意識のズレが起こる
2 秘密を共有することによって、登場人物のあいだに連帯感が出る

これを涼宮ハルヒシリーズに当てはめてみるとどうなるでしょう?

まず、一つ目の意識のズレ。
これは十分すぎるほど出てます。
ハルヒが暴走して、それを他の団員がハラハラしながら見守ったり、あるいは止めたり、というのが、この小説の基本パターンです。
意識のズレは、ハルヒと他の4人のあいだに存在しており、そして、その秘密をハルヒに知らせるわけにはいかない、というドタバタが展開されてます。

で、問題は、2番目の「秘密の共有による連帯感」ってとこです。
秘密を共有しているのは、ハルヒ以外の4人なので、連帯感が生じやすいのはこの4人のあいだです。
実際のところ、なにか問題が起こるとこの4人で善後策を協議する、ってなシーンがよくでてきます。
その間、ハルヒはのけ者状態。
キョンが、「秘密の共有による連帯感」の輪のなかに入っているのに、ハルヒはその輪から外されているのです。
だから、キョンとハルヒの仲が深まらないんですね。
二人のあいだに意識のズレが挟まってしまっているわけですから。

「秘密を共有している4人」と「彼女自身に秘密が隠されているのに、それを知らされないハルヒ」との意識のズレによるドタバタがこの小説の見所なんですが、この物語構造が妙な副作用を生んでいたのです。
気づいてみれば、簡単なことだったなー、こりゃ。


しかし、このラブコメの作り方って、ギャグっぽくしようと思ってたのに、なんか真面目ぶったもんになっちゃいました。
変だな、どこで間違ったんだか。うぐぐ。
これから、この企画どうなるんだか、自分でもわかりませんが、まあよろしくお願いしたいです。



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タグ:涼宮ハルヒ
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