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2007年02月12日

初めてエロゲーをやってみた fate/stay night 感情移入

Fate/Stay night 初回版
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ってことで、オートリードという頼もしい味方をえた私はゲームを進めていった。


うーん、面白い。
自然に感情移入できるっつーの?
やってくうちに、いつのまにか主人公と一体化しているような感じがして、物語に入り込める。
アニメ見たときは、あまり主人公に感情移入できなくて、それが詰まらなく感じた原因だったのだけれども、ゲームだとちゃんと感情移入できるなあ。
何故だろう。
不思議。


アニメ版に対する不満の一つに、「戦闘シーンがショボい」ってのがあったんだけれども、ゲームのほうはショボいなんてもんじゃない。
なにせ、CG画が出てきて、それが文章にあわせてズームアップされたりするだけなんだから。
ところが、それがあまり気にならない。
アニメとゲームに対する、この感情の差ってのはなんなのだろ?


それがなぜかってのを考えていくうちに、こんなのを考え付いたんで、ま、一応書いときます。



小説 マンガ アニメ ゲーム


ここに、4つの表現ジャンルを抜き出して、これをグループ分けしてみるっていう遊びをやってみます。
たとえば、「画が動くものとそうじゃないもの」に分けるとこうなります。


アニメ ゲーム(動くもの) // 小説 マンガ(そうじゃないもの)


まあ、こんな感じ。
ここでやろうとしているのは、その表現ジャンルに含まれる、個々の作品がどうかということじゃなくて、その表現ジャンル自体がどういう特徴、特性をもっているかってことです。
つまり、大雑把に抽象化してみて、そのうえであーだこーだ言ってみようかっていう話。


で、この四つのうち、「読者、視聴者、プレイヤーが、主人公に同一化しやすいものとそうじゃないもの」に分けてみると、こんな感じになると思うのです。


小説 ゲーム(主人公に同一化しやすいもの) // マンガ アニメ(そうじゃないもの)


なぜ、私がこう思ったのかってェことを、これから説明。

まず、小説から。
なぜ、小説が「主人公に同一化させやすい」ジャンルかっていうと、「一人称の文章を使える」から。
わざわざ一人称を説明する必要もないとは思うんだけど、まあ一応。

一人称ってのは「私は・・・」とか「僕は・・・・」という形式で書かれた文章のことです。
それとは違って「田中は・・・」とか「幼くして母親をなくした、その少女は・・・・」ってのが三人称の文章。

ためしに、同じ内容の文章を一人称と三人称を使って書いてみます。
これ一人称と三人称の違いはあれど、どっちも同じ人物。


一人称

「私はとある友人から、スカトロビデオを手に入れた。なんでも、このビデオは斯界では有名なビデオらしく、黄金ファン、聖水ファン、いずれもが楽しめる傑作なのだという。私は聖水にはあまりそそられず、黄金のほうが好みなのだが、そんなことはともかく、楽しみだ。早く家に帰って、このビデオを見たくて仕方がない」


三人称

「みのもんたはとある友人から、スカトロビデオを手に入れた。なんでも、このビデオは斯界では有名なビデオらしく、黄金ファン、聖水ファン、いずれもが楽しめる傑作なのだという。みのもんた自身の性癖としては、聖水にはあまり興味がわかず、とにかく黄金いっぽんやり!なのだが、みのはこのビデオを楽しみにしていた。早く家に帰って、このビデオを見よう、とみのは思った」


この二つの文章を読み比べてください。
内容は同じです。
それなのに、読んで受ける印象はかなり違うと思います。
印象というか、読んでる側と文章の立ち位置が違うっていったほうがいいか。

三人称の文章のほうは、みのもんたという個人の性癖を読者が客観的に見ている、という感じがするのに対し、一人称のほうは、知らず知らずのうちに読者が、文章中の「私(正体はみのもんた)」と一体化していくような感じ。
一人称のほうは、読んでいる「自分が」スカトロビデオを手に入れた、ような感じがしませんか?
自分はみのもんた、みたいな。


・・・・まあ、これは例文がちょっと特異すぎて参考にならんかもしれないですが、「私は・・・・だった」「僕が・・・した」というふうに一人称の文章を読んでいくと、知らず知らずのうちに主人公と一体化しているような錯覚が生まれるのは理解できると思います。


この二つの文章の主人公はどちらも「みのもんた」です。
起こる出来事も同じ。
ですが、一人称と三人称では異なる世界認識のもとに文章が書かれています。
三人称のほうは、客観的な世界を前提にして書かれている。
そのなかでは、主人公である、みのもんたも他の登場人物と同じだという認識がある。
ところが、一人称で描かれる世界というのは、「私(みのもんた)」の主観を通した世界なのです。


たとえば、涼宮ハルヒの小説は、キョンが語り部なので、あれは「キョンから見た世界」の話です。
だから、読んでいると、いつのまにかキョンと自分が一体であるような感覚が生まれます。
いくらハルヒや長門が好きだったとしても、彼女らと「読んでいる自分」が同一であるような感覚は生まれません。
あくまで彼女らは、読者の欲望(萌えやらなんやら)の対象物なのであり、読者自身と重ねられる存在ではない。


こう書いていくと、「マンガ、アニメだって、一人称を使ってるのが腐るほどあるじゃん」とか言われそうです。
たしかにあります。
少女マンガなんかでは、いきなり登場人物の主観に切り替わって、内面がつづられるってのがよくありますしね。


ですが、マンガ、アニメはその表現ジャンルの性質上、「主人公から見た世界」を描くことができません。


ちょうどいいので、涼宮ハルヒの憂鬱のアニメを例にとります。
アニメでも、キョンのモノローグで物語は説明されています。
が、それは「キョンから見た世界」ではありません。
なぜって、キョン自身も画面のなかに描かれているから。
ハルヒ、長門、みくる、古泉らの他の登場人物と同じように、キョンの姿もテレビ画面に出てきます。
ということは、キョンもまた他の登場人物と同じく、客観化されているわけです。
つまり、マンガ、アニメでは「完全な主観」を描くことはできない。


まあ、キョンの姿を完全に消しちゃって、キョンの視点で画面構成するっていう方法もあるにはありますが、そんなの普通やらないでしょう。
見にくいし。


とすると、主人公との同一化感覚は小説に比べると、マンガ、アニメではやっぱり弱くなるのです。
これはただ単にジャンルの特性の話であって、小説よりも主人公に同一化できるマンガ、アニメはもちろんいっぱいあるんだけれども。


で、次にゲームなわけですが、これが主人公との同一化を得やすい理由は簡単です。
それは「自分で操作できるから」。
自分の手足のように、ゲームキャラクターを動かせるので、当然、同一化しやすいです。
メタルギアソリッドやってるときの私は、スネークになりきってるし。
ただ私のスネークは、遠いところから一般人をスナイピングするのが好きという、異常性向を持っていますが。
あれ、楽しいんだよね。
メタルギアソリッド3の終盤あたり、格納庫で普通に仕事してる整備士を高いところから射撃すんの。
全員、スナイパーライフルで射殺しちゃったさ。
あれ軍人じゃないだろうに。


で、回りくどかったがfateの話。
このゲームは、ジャンル的に言えば、小説とゲームの合いの子です。
文章が出て、それ読んで、ときどき選択肢が出るので、それを選んだ結果で、話が変わるっていう。

一日が終わるごとに、執拗なほど挟まれる夢の部分の文章は明らかな一人称で書かれています。
普通の地の文は、一見三人称的に書かれてはいますが、そのほとんどは主人公である士郎の一人称であり、また主観でもある、っていう構造。


それに加えて、実は画面の上でも、一人称的なのです、これ。
どういうことかってぇと、主人公である士郎の姿が画面にあまり出てこない。
士郎と誰かが戦うとき(たとえばギルガメッシュ)などは、当然、士郎の姿が出てくるんだけれども、セイバーや遠坂と喋ってるときなんかは、士郎の姿はない。
セイバーも遠坂も、こっち見て喋ってくる。
そうすると、あら不思議。
自分がセイバーと喋ってるような気がするべさ。


一人称の小説要素と、自分で操作することによるゲーム要素、その二つがあるから、主人公に感情移入しやすいのかもしれない。


と、こんなふうに愚考を重ねながら、ゲームを進めてたのですよ、私は。


しかし、もう三回も書いてるってのに、ゲームの内容にほとんど触れていないことに、今さらながら気づいた。
これじゃいかんね、ゲームのレビューになっちゃいないね。
羊頭を掲げて狗肉を売る、カウボーイビバップを掲げてMUSASHI GUN道を売る、に等しき所業。
ってことで、次回こそはちゃんと内容に触れようと思ってます。

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この記事へのコメント
毒が回ってきてるね。
例えどんな理由があったにせよ、一度でも、エロゲーやりはじめたら抜けだせなくなるよ。
Posted by ま at 2007年02月24日 20:18
あはは、そういうもんですかね。
エロゲーってのは麻薬みたいなもんですかね。
Posted by 万五郎 at 2007年02月25日 09:58
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