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2007年09月19日

ジブリアニメに出てくるAV女優レベルの演技

鉄コン筋クリート (通常版)
鉄コン筋クリート (通常版)


最近、このアニメ映画を見た。

内容については特に触れない。
というのも、私は頭の回転が通常より3倍鈍いので、見たばっかりだとちゃんとしたことを書ける自信がないから。

とりあえず、禍々しくエロティックなんだけど、懐かしさを感じる町並みとか、スピード感とセンスを感じさせるキャラの動きはスゴかった。
映像的な観点から言えば大した映画だと思った。

内容については特に触れないくせに、このアニメを取り上げたのはなぜかっていうと、声優のことを書きたかったから。

このアニメ映画の主役級のキャストって、

クロ:二宮和也(嵐)
シロ:蒼井優
木村:伊勢谷友介
沢田:宮藤官九郎

こんなふうに、非声優ばっか、なんである。

劇場版アニメでこういうふうに、非声優の俳優、女優を使うのは今では当たり前のようになっているんだけど、これがまったく違和感なかった。

蒼井優(蒼井そらじゃなくて)の声はちょっと低すぎなんじゃないか、とかは思ったけど、全般的に見て、あまり変なところがない。
「おいおい、なんだよ、この演技」
って失笑するようなところがまったくなかった。

山寺宏一より今週の一言

私、声優としていろんなアニメ作品や映画に携わらせて頂いておりまして、本当にありがたいことと思っているのですが、最近感じることはいろんなタレントや有名人を起用していることが目立つことです。まあ、僕もそれで普段お会いすることが難しい方と知り合いになれたり、凄く刺激になることもあるんですが、中には「これはあまりにもムチャじゃないの!」と言いたくなるキャスティングもあると思います。もちろん話題性は大事ですし、お客さんがたくさん入ることはおろそかにできないのですが、本当にピッタリあったキャスティングをよくよく考えて欲しいと、見る側の立場としても思います。

非声優をアニメ映画に使うことについて、山ちゃんはご立腹の様子。

確かに、技術のある声優さんはこういうことが腹立たしくてたまらないのだろうと思う。
声優の名前がほとんどわからない私でもこの感情ってのはよく理解できる。
(あ、山ちゃんは知ってますよ、さすがに)

しかし、鉄コン筋クリートは『「これはあまりにもムチャじゃないの!」と言いたくなるキャスティング』ではないと思う。
二宮和也の演技も良かったように感じた。

それじゃ『「これはあまりにもムチャじゃないの!」と言いたくなるキャスティング』ってどのアニメだったらあてはまるのだろう?

声優を使わないことでよく批判されるのってジブリなわけだけど、ジブリがそれなんだろうか?

ということで、これからジブリの映画に出てきた非声優(つまり俳優だとかアイドルだとか)の演技について寸評してみたいと思う。


しかし、その前に一つお知らせしておかなければいけないことがある。


実は、私は「演技が上手い」っていうことがどういうことだか分からないのだ。

ほら、映画好きとかって「○○(←俳優の名前)って演技が上手い」とか、いやそうでもないとか議論したりするじゃないですか。

そういうの意味がわかんない。
会話に入っていけない。
一人ぽつんと置いてけぼり。

「演技が上手い」という言葉が何を指しているんだか、私にはちっともわかりゃしないのだ。

たとえば、ドリュー・バリモア。
彼女の演技が上手いのかどうか私にはよくわからない。
ただ、見ていて気にならないというだけ。
(しかし、なぜにドリュー・バリモア?)

アル・パチーノ。
ゴッドファーザーは大好きな映画でいままで20回以上見てると思うんだけど、アル・パチーノの演技が上手いのかどうか、これまたわからない。
演技が上手いとみなされてるらしいことは知ってるけど。

ダスティン・ホフマン。
演技が上手いということでは必ず名前があがる人。
レインマンの自閉症患者の演技、こういう「物まね」みたいなのが、演技が上手いということなんだろうか?
たしかに、「演技が上手い人は物まねも上手い」なんてことは聞いたりはするけど。

特殊な人(自閉症の人でも、有名人でもいいけど)を演じさせてみて、それが似てるかどうか、ということだったら私にも判断はつく。

20人の俳優に「長州力」を演じさせて、そのうち誰がいちばん物まねが上手いかを当てることだったら、確かに私にもできる。
しかし問題は、長州力が20人登場してくるような映画はないってことだ。
ほとんどの場合は普通の人を演じるもんだしなあ、俳優ってのは。

ということで、私は演技が上手い人を見分ける術がない。
だから、鉄コン筋クリートに出てた俳優の演技が上手いのかどうかってのも実はよくわからない。
ただ、変だとは感じなかった、それだけ。

しかしそんな私でも、演技が下手な人、それも超下手な人に限定するならその判別はつく。

たとえば、アダルトビデオなんかでは、本番の前に無駄な寸劇が挟まれていることがよくある。
一例をあげると、こんなの。

男子生徒(AV男優):せ、先生!おれ、前からずっと先生のことが好きだったんだ。

女教師(AV女優):だ、だめよ。御法川クン(棒読み)。私たちは教師と生徒なの(棒読み)。だから、あっああああっ!

たぶん「あっああああっ!」あたりで男子生徒役の男優が襲い掛かったんだと思う。

今まで長いことアダルトビデオを見ていて、演技の上手いAV女優というのを見たことがない。
ほとんどのAV女優がありえないほど下手くそな演技をする。
もっとも、私が演技の上手い女優を見たことがないのは、こういう寸劇のところはほとんど早送りで対処してるせいもあるのだけれど。

AV女優に比べると、AV男優はそこそこ演技のできる人が多い印象がある。
それは多分、AV女優の活躍できる期間が極めて短いのに対し、AV男優は比較的長い期間、仕事をし続けるという理由によるものではないだろうか。

えっと、、、、なんだ、この無駄な考察。

そんなことはともかく、こういうAV女優レベルに演技が下手な人であれば、さすがに私でも判別はつくのだ。

ということで、ジブリアニメに出てきた非声優の演技についての寸評。

もののけ姫

もののけ姫の石田ゆり子(サン)

これは自然な演技だと思った。
いや、自然とかなんとか言ってるけど、最前述べたように、私は演技の良し悪しを見分けることが出来ないのでよくわからないんだけど。
とにかく、見ていて「変だ」と感じたりはしなかったってこと。


ハウルの動く城

ハウルの動く城のキムタク(ハウル)

これは最初から違和感があった。
キムタク、じゃなくてハウルが階段からバタバタバターっって降りてきて、なんかわめくところとか。
何を言ってたんだか全く記憶がないけど。

俺はアリンに萌えてるのか、川澄綾子に萌えてるのかやまなしなひび−Diary SIDE−

やまなしさんが、この中で言及しておられるように、この違和感ってのは「ハウルがキムタクにしか思えない」ところから来るものなのかもしれない。

私はこの映画を見てるあいだ、ずっと「これ(ハウル)ってキムタクだよなあ」って思いながら見てた。
ハウルが一人の架空のキャラクターだとは思えなくて、どうしてもキムタクがダブって見える。

そういえば、私は二宮和也ってあまりよく知らない。
顔とか、経歴とかはもちろん知ってるけど、ちゃんと動くところをあまり見たことがない。
「硫黄島からの手紙」もまだ見てないし。
(今度、見ようっと)
ひょっとしたら、二宮和也をよく知っていたら、鉄コン筋クリートのクロにも違和感を覚えたのかもしれない。

だから、ハウルの動く城を見ていて感じた「微妙な感じ」ってのが、ハウルをキムタクが演じていることから来るものなのか、それともキムタクの演技が下手だということから来るものなのか、それとも両方合わさっての結果なのか、よくわからない。

まあ、この映画自体が「微妙な感じ」だったので、そんな声優の適不適みたいな小さな問題は吹き飛んでしまったけれども。

後半、彼女の姿が婆になったり少女になったりするのって、一体何の意味があったんですか?
まったく意味不明だったんだけど。
何かを伝えようとしているのはわかった。
だけど、その何かがまったく伝わってこなかった。


となりのトトロ

となりのトトロの糸井重里(お父さん)

トトロを見たのは子供の頃だったんだけど、糸井重里の演技って
「AV女優みてェだ」
と思った。

もちろん、子供だったのでまだアダルトビデオを見たことはなかったんだけど、そのとき感じた感覚を言語化してみれば「AV女優みたいに下手な演技だ」ってのが正確なところ。

サツキとメイの演技が上手、に見えるだけに、いっそう糸井重里の下手さが目立つ。

糸井重里の演技が下手なあまり、この「お父さん」は感情というものを上手く表現できないようなタイプに見えてしまったので、実は社会に適応できないタイプの人間なんだという裏設定でもあるのか、と思った。
都会暮らしに適応できなかったので、田舎に引っ越してきた、とかそういうの。


耳をすませば

耳をすませばの立花隆(雫の父親)

立花隆の演技は
「AV女優より酷い!」
と思った。

実は、このアニメを見たのは最近で、つまりアダルトビデオをいっぱい見た経験が既にあったのだけれど率直に素直に「AV女優より酷い演技だ」と思った。
つーか、断言できる。
立花隆はAV女優より酷いって。

この立花隆の「お父さん」は、ブツブツと口ごもった言い方をするので、精神的に病んでるようにさえ見える。

いや、素の立花隆もそういう喋り方するけど。


と、このように演技の良し悪しが全く見分けられない私にでも、糸井重里と立花隆の演技が酷いくらいはさすがにわかる。

ところで、私にはこの二人を声優に使う意図がまったくわからない。
メリットがわからない。

まず、この二人を使うことによって作品の質があがるかどうか。
そんなの上がるわけない。
ここまで下手くそな、演技経験のない人間を声優に使って、作品の質があがるなんてことはない。
どう考えても、思いっきり下げてる。

次にビジネスの観点。
キムタクや二宮和也のような、有名アイドル(俳優でもいいけど)を使うことに批判があるのは知ってる。
だけど、これはビジネスの観点からすれば納得はできる。
キムタクが声優やってるから、もしくは二宮和也が声優やってるから、見に行こうという層は確実にあるのだろうし、そりゃ観客動員にはメリットがあるのだろう。
宣伝もしやすいだろうし。
もちろん、それをいいことだと思っているわけではないけど、とりあえず、製作者の意図はつかめる。

だけど、糸井重里、立花隆が声優をやってるから映画を観にいってみようという層が存在するのだろうか?
そんな層は絶対に存在しないと思う。

「立花隆が出てるからこの映画を見にいこう」
いるわけない。
そんなマニアックな趣味を持つ人なんて。

まったく意図のつかめないキャスティング。

これって結局「おつきあい」とか「インテリごっこ」とか、そういう意味合いなのだろうけど。
だれが、キャスティングしたのかは知らんが。


ここまで書いてきて思ったのだけれど、演技ってなんなんだろう、って素朴な疑問が浮かんできた。
というのも、糸井重里と立花隆が演じたのって「普通のお父さん」なのだ。
この二人に子供がいるのかどうかは知らない。
だけど、「普通のお父さん」くらい演じられそうなもんだ。
レインマンの自閉症患者みたいな特殊な役ではないわけだし。
だけど、普通の人が普通の役を実際に演じたら「AV女優なみの演技」になってしまうっていう。
(もっとも糸井重里と立花隆は普通の人ではないけど、AV女優もたいがい普通の役を演じているもんだけど)

これは二人が特殊例なのではもちろんなくて、演技経験がなければ誰でもそうなんだろう。

普通のサラリーマンが「普通のサラリーマン」の役を演じてみても、この二人と同じく、すさまじく下手な演技になるんだろうと思う。
全然、自然には見えないだろうことはやらないでもわかる。

これはただ単に、素人は演技するときにあがってしまう、っていう単純な理由からくるものなのかもしれない。

だけど、映画、アニメのなかの「普通のサラリーマン」が実はぜんぜん普通じゃない、っていう理由から来るものなのかもしれない、ってなことを思ったりした。

舞台やミュージカルを見慣れていない人には、舞台俳優、ミュージカル俳優の演技ってのはとても不自然に見える。
妙に声を張り上げるし。
妙にハキハキ喋るし。

一方、ドラマ、映画のなかの俳優の演技ってそれほど不自然には思えない。
だけど、実際は彼らの演技もまた、舞台俳優と同じく「自然」ではないのだろう。
ドラマ、映画に出てくる「普通のサラリーマン」ってのは、あくまで架空の「普通のサラリーマン」なのだ。
演技ということについて私はまったくわからないので、そこらへんはちゃんと言語化できなかったりするんだけど。


*文中で言及した

俺はアリンに萌えてるのか、川澄綾子に萌えてるのかやまなしなひび−Diary SIDE−

この記事が面白かったんで、これを書いてみました。

声優について詳しくなるっていうことは、「ハウルがキムタクに見える」っていうのと同じことなんだよなあ、ってしみじみ思った。

たとえば、私はカウボーイ・ビバップを見ていて「スパイクかっけー」って思っているときに「実はこれの中の人って山ちゃんなんだよなあ」っていう事実に気づくとすんごく萎える。

ゴメンナサイ。ゴメンナサイ。
悪気はちっともないんです。
ただ、そう思っただけなんです。
山ちゃんの顔がスパイクに二重映しになると萎える、それだけなんです。

今のところ、私は声優にまったく無知なので、アニメを見ていて二重映しになるのは、山ちゃんとか、平野綾とかのごく一部に限られているので、このまま声優には興味を持たないで平穏なアニオタ人生を過ごそうと思ってます。

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タグ:声優 ジブリ
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