2008年09月17日

やっぱりジョジョは2部が好き

なぜだかある日突然、ジョジョ第3部を読み返したくなったので、近所のツタヤで借りてきた。
面白かった。
あまりに面白かったので、今度は第2部を読みたくなり、これまた、近所のツタヤで借りてきた。
これも面白かった。


さて、男子が二人集まれば「ジョジョでは第何部が好き?」という話で花が咲くのが相場と決まっている。
今回、久しぶりに読み返してみて思ったんだけど、私はやっぱり第2部がいちばん好きみたいだ。いや、第3部も大好きではあるんだけど、どちらかというと、やっぱり2部のほうが好き。


もっとも、話としては、第3部のほうが面白いとは思うのだ。
ここでいう話とは、ストーリーのことではなく、戦いの見せ方のこと。


敵にはこういう能力があり、こちらにはこういう能力がある。
その諸条件を最初に明らかにしておいて、劣勢(たいてい劣勢だ)をどうやって覆していくか。


戦いの過程の描き方という意味で言えば、第3部のほうが圧倒的にこなれている。
これは、スタンドという発明で発想の幅が広がったことがいちばん大きいんだと思う。


第2部のジョセフって、多彩なアイデアを使って戦っていたような印象があったんだけど、今回、読み返してみたら、そうでもなかった。同じような糸を使うトリックが2回も出てきたし。
記憶のなかにあるよりは、ずっと単調な戦いをしてた。


その点、第3部は、敵のスタンド能力がさまざまだから、その戦いの過程が毎回バラエティに富んでいて面白い。


それじゃ、なぜ第2部のほうが好きなのか?


ここで、ちょいとK1の話を挟む。


K1というルールのなかでは、これが一番強い格闘スタイルだろう、という一般了解が出来ている。
簡単に言えば、パンチのコンビネーションとローキックを組み合わせた戦法だ。具体的に言えば、ホースト、アンディ・サワー、魔裂斗みたいなタイプ。


もちろん、これ以外のスタイルの選手が勝つこともある。一般論に例外はつきものだから。
だけど、一般的にはパンチのコンビネーション+ローキックがK1ルールではもっとも有効なスタイルだとみなされている。


昔のK1には、カポエラやテコンドーの選手が出場してた。カポエラというのは、空手バカ一代にも出てきた、ブラジルの格闘技。踊りながら蹴りを繰り出すという超変則的な格闘技。
しかし、当たり前のことながら、K1的に有効な格闘スタイルでない、彼らはあっという間に負けてた。
いまだに私はカポエラという格闘技がどれくらい強いのか、知らない。


で、第3部に出てくる敵って、この初期K1に出てきた、カポエラ使い、テコンドー選手みたいな感じがするのだ。


ジョセフの腕に取り付いた瘤のスタンド(チュミミーン)とか、砂漠での太陽のスタンドとか(あっさり負けやがったな、こいつ)、ジョセフの脳みそに入り込んだスタンド(こういう損な役回りはいつもジョセフ)だとか。


ジョジョ第3部には、こういう明らかに変則型のスタンド使いが多数出てくる。
承太郎のスタープラチナとか、ポルナレフのシルバーチャリオッツとか、味方側のスタンドのほうが、正統派でそれゆえに汎用性も高そうだ。


味方を変則型にしてしまうと、話がうまく回らないわけで、味方が正統派で、敵が変則型という、役回りに理由があることはわかる。たとえば、太陽のスタンド使いが味方だったら、何の役にもたたないし。


ただ、この役回りによって、バトル漫画としては大事なものが抜け落ちてしまった感もまた否めない。
つまり、相手が強そうに見えないってことだ。


さすがに、クライマックスに近づき、DIOの館に入ると敵もとんでもなく強そうなのが出てくる。空間を呑み込んでしまうヴァニラ・アイス、そして、DIOのザ・ワールドに私は恐怖した。こんな強そうなのに勝てるわけねーって。
ただし、館に入って最初に承太郎たちに挑んできたテレンス・T・ダービーがテレビゲームで戦っていたことを忘れてはならないだろう。あきらかに、こいつはカポエラ使いのカテゴリだ。


その点、第2部はどうだろう?


サンタナ、エシディシ、ワムウ、カーズと、こいつら人間ですらないのである。
強だし、凶だし、そして恐だ。


第2部では、圧倒的な強さを誇っているのは、常に敵側であり、それに対するジョセフたちは、波紋などという、胡散臭い能力でそれに対処しなければならない。
この絶望的なまでの強弱の差。


カーズなんて、赤石を使って、究極生命体になってからは、ジョセフはまともに戦うことすらできなかった。


こうした、強弱のコントラストが、第2部にいいようのない緊張感をもたらしていることに、今回改めて気づいた。
つまり私が言いたいのは、カーズ怖えぇ。そういうことだ。


*あと、リサリサって、リサ・ステッグマイヤーに似てないかな?


4088510631ジョジョの奇妙な冒険 (7) (ジャンプ・コミックス)
荒木 飛呂彦
集英社 1988-12

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2007年10月16日

セロのマジックのタネ

裏モノJAPAN (ジャパン) 2007年 02月号 [雑誌]
裏モノJAPAN (ジャパン) 2007年 02月号 [雑誌]


今日たまたまコンビニで見つけて、つい買ってしまった本。
正確にはこの本ではなくて9月号の別冊なんだけど、とにかく要はマジシャンのタネを公開しちゃうっていう企画。

自分が買ったやつは、セロとDr.レオン、Mrマリックなどのマジックが紹介されてた。

セロは何度もテレビで見たことがあるしMrマリックを知らない日本人はいないだろうけど、Dr.レオンって誰?
有名なの、この人。
ぜんぜん知らなかったんですけど、私。

Dr.レオンはともかく、セロのマジックをテレビで見て「どうやってんだろ、コレ?」と常々不思議に思ってたので、さすがに面白かった。

ただ「面白い」とは言っても、それは今までわからなかったことがわかるという面白さなのであって、タネ自体が面白いってわけではない。
よく「推理小説のタネ明かしは面白いけど手品のタネ明かしは詰まらない」っていう言い方がされるけれども、確かにそれは当たってる。

特に派手なマジックのタネが、驚くほど単純な仕掛けでびっくり。

たとえば、ハンバーガーのメニューが描かれた看板に手を当てると、本物のハンバーガーが現れるっていうセロのマジック。
これをテレビで見たときは心底驚いたんだけど(なんか自分って単純だなあ)、これの仕掛けはどうなっているかっていうと、看板の裏にスタッフが入れるようになっていて、穴からハンバーガーを渡す、それだけ。
ハンバーガーを渡したあとは、シールを貼っておくらしい。

拍子抜けするほど簡単な仕掛け。

実は私の友人がこのマジックを見て、
「これはマジックじゃぜったい出来ない。だから、これは超能力に違いない」
と意味不明なことをほざいてた。

そもそも、これは「マジック革命!セロ!」っていう番組で、思いっきり「マジック」っていうタイトルがついてるのに、どうしてわざわざ「超能力」にしたがるんだか。

まあ、この友人はちょっとばかし人として大事なものが足りないだけです。
あまり気にしないでください。

そんなことはともかく、マジックの話。

密閉したビンのなかにコインなどを入れるマジックっていうのもよく目にする。
ビンの口のほうから、コインなどをねじ込むようにすると、入るはずのないコインがビンに入るっていうやつ。
ビンの口が塞がれていることもあるし、ビンの口の大きさでは絶対に入らないサイズのコインが使われることもある。
あれ。

この手のマジックはすべて同じ仕掛けらしくて、要するに最初からビンのなかにコインが入ってるらしい。
それで、手につけた磁石でそのビンの中にあるコインをくっつけておく。
ビンを左手で持っていれば、ビンの中のコインは外から見えない。
で、左手を離せば、コインは磁力を失って落下。
コインがビンのなかに入ったように見える。
そういう仕掛け。

10円玉とかは銅なわけで、磁石にくっつくわけがないように思えるけど、ちゃんと磁石にくっつくようにできる仕掛けがあるらしい。
セロは左手に指輪をつけているけど、あれが磁石なんだそうだ。

ところで、この手の「ビンの中に何かを入れる」式のマジックに、生きた金魚をペットボトルの中に入れるっていうマジックがある。
これもセロのマジックだけど。

で、これも原理は同じ。
金魚をどうやって磁石にくっつけるのか不思議に思うけど、これは砂鉄を混ぜたエサを金魚に食べさせるらしい。

砂鉄か!
スゴっ。
その発想はなかったなあ。

とにかく、そういう感じでとても面白かったのだけれど、マジックのなかに映像処理を用いたものがある、ってのはちょっとガッカリ。
VTRの逆再生とかを使って、マジックしてるのもあるらしいのだ。

いや、それはないだろうと。
反則なんじゃないか、と思った。

UFO特番なんかでCGでUFOを作って「UFO発見」とか言ってるようなもんじゃないの、それって。
鳥の群れをUFOと見間違えたりするのは別にいい。
それは、そう見えたというだけだから。
だけど、自分でUFOの動画を作っちゃうのはナシだろうと。

どうも、たとえ話を壮絶に間違って使ってるような気がするんだけど、それはともかく、言いたいことはおぼろげながら伝わってるはずだ。
映像処理するのは「マジック」とは呼べないよなあ、さすがに。

こういう映像処理を使ったマジックというのは個人的には認められないけど、それでもやっぱりマジシャンってスゴいな、とは思う。
MrマリックもセロもDr.レオンも(だからDr.レオンって誰だっての)。

マジックなんて、人を一瞬のあいだ驚かす、所詮はただそれだけのものだ。
明日、マジックがこの世からなくなったとしても一向に構わない。

だけど、その一瞬の驚きのために日々精進してるマジシャンってなんかカッコいい。
ただ、そう思った。
(何だ、このまとめ方?)



2007年08月25日

[書評]和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか

最近、ぜんぜん本を読んでない。
なので、たまには本でも読もうかな、と思って本屋に行ってみた。
やっぱ、本を読まないとバカになるって言うし。
もともと、バカだから今さら気にしても仕方ないような気もするけど。

で、タイトルに惹かれて買ってみたのが、この本。

和田の130キロ台はなぜ打たれないのか (講談社現代新書)
佐野 真
4061497960


結論から言うと、タイトルに惹かれて買った人には全く面白くない。
なぜ、和田の130キロ台のストレートが打ちにくいのか、という疑問を持って購入した人は、かならずガッカリすると思う。

たとえば、俗に言う「伸びのある球」というのが、球の回転数が多く、初速と終速の差が少ないことを意味するのだ、ということは野球の知識が多少でもある人なら、まず知っている。

プロ野球選手の平均が毎秒30回転ほどで、松坂が38回転なのだという。
それで、和田のストレートは平均より回転数が多く、伸びがあるから打ちにくいのだろうという仮説を筆者は考えるのであるが、実際、その回転数がどれくらいなのか、ってのはぜんぜん出てこない!

そこのデータをちゃんと示さないと、この本の意味が全くないような気がするんだけど・・・・・。

ただし、和田の高校時代、大学時代のエピソードはふんだんに書かれているので、和田のファンには良い本だと思う。

しかし、この和田とか松坂、新垣の出た時の高校野球って、私は一つも見てないんだよなー。
さすがに、この年だけは見ておけばよかったのに、って今さらながら後悔したりして。


[面白かった記事]
コードギアスの無節操さの話

とても短い文章だけど、コードギアスというアニメについて、ここまで本質に触れたものってなかなかないんじゃないんだろうか。
コードギアスが(政治的に見れば)まったくもってデタラメなアニメで、そのデタラメさによって普遍的な作品になってる、という視点は大したものだと思った。
自分もコードギアスについて書いてみたりしたけれど、この文章の完全に負けてるってのを認めざるをえないのがちょっと悔しい。
けど、事実なんで仕方ないわ。







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