2007年11月14日

バンダイナムコHDの仕打ちに怒る株主たち

月曜日の株式市場がほとんど全面安のなか、バンダイビジュアルがストップ高近辺まで上がっていたんで、どうしたんだろうと思ってたら、

バンダイナムコ事業再編でバンダイV、バンダイネットを公開買付け

総合エンタテインメント企業のバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)は、連結子会社のバンダイビジュアルとバンダイネットワークスに対する公開買付けを含めた国内事業の再編成を発表した。
 再編の大きなポイントは2つで、ひとつめは上場子会社で映像・音楽パッケージ事業のバンダイビジュアルとモバイル事業のバンダイネットワークスへの公開買付け(TOB)である。バンダイナムコHDは、今回のTOBとその後の株式交換により両社を完全子会社化する方針である。

こういうことらしいです。

バンダイビジュアルの株って一時期持ってたんですけど、第一四半期の後、ちょっとリバウンドしたときに売っちゃってたから、全然知らなかった。

ちなみに、これがバンダイビジュアルの株価チャート。

バンダイビジュアル

しかし、

今回、両社の完全子会社化が行われれば、バンダイナムコHDは上場子会社を全て本体に取り込むことになる。バンダイビジュアルの株式上場は平成13年11月で、完全子会社化が実現すれば、上場からわずか5年あまりで再び非上場企業に戻ることになる。同様にバンダイネットワークスは4年あまりで上場企業から姿を消す。


上場させてから5年でまた非上場に、ってのは、わけがわからん経営です。
それなら初めから上場すんなよ、って言いたくもなる。

バンビはここ2年ほど、株価が下がり続けていたので、今回のTOBがいくらプレミアムつけているとは言っても、損をしてる人も多いでしょうし。

まあ、私は株主ではないんで、そこらへんの怒りというのも、そんなにないんですけど、やっぱり実際に株を持っている人たちは怒りが収まらない様子。

以下はYahoo!掲示板のバンダイビジュアルの株主さんたちの書き込みを抜粋したもの。


我々は

ソレスタルビーイング。

バンビとバンナムの紛争に武力介入する。

バンビホルダー諸君、条件降伏せよ。

さすれば生命に危害は加えない。
 
ただし、財産はバンナムへ移管する。
 
以上だ!



バンビが好きだった・・・
だからこそ、この仕打ちに対し、株主の怒り、或いは悲しみの投稿が多いのだろう。
これほど株主に愛されていた会社なのに、株主を嵌め込むような形での上場廃止、経営陣は自社の姿が見えているのだろうか?
経営者としてのプライドはないのだろうか?

斯く言う私も、この会社が好きだったのだろう。とても残念な気持ちだ。
株で損をしたことよりも、会社への信頼と期待を裏切られたことが痛い。

私がバンナムの株を持つ事はないだろう。さようなら


バンダイナムコHD(親会社)
H18.4/3  子会社のバンダイビジュアルから40億円借り入れ
H19.2/21  自己株式の買受
      7516217株(発行済株式数の2.88%)総額134.1億円(上限)
H19.3/22  第三者割当による自己株式の処分
      募集普通株式4900000株(@1652円) 総額80.9億円   
H19.5/10〜6/12 自己株式の市場買付け
       4980000株(@2000円)(発行済株式数の1.91%) 総額99.6億円
H19.6/20  自己株式消却
       4500000株(発行済株式数の1.73%)
H19.7月頃  子会社と完全子会社化について協議開始(非公表)
H19.11/8〜 上場子会社2社をTOB&株式交換を発表


バンダイビジュアル(子会社)
H18.2  東証一部に指定換え
H18.4/3 親会社バンダイナムコHDへ40億円の金銭貸付
H19.4/6 H19年2月期決算発表にて
     H20年2月期の業績予想で主力作品の発売が下期偏重になると公表
H19.7月頃 親会社と完全子会社化に向けての協議を開始(広報に確認済み)
H19.9/26 業績下方修正
      下方修正理由に一部商品の発売が下期に変更になったためと公表
H19.10/12 H20年2月期中間決算にて、
      上期不振原因は主力作品の発売が下期偏重だったからと公表
H19.11/8  バンダイナムコHDによる完全子会社目的のTOB・株式交換を承認。


(株価の推移)
バンナムHD(※4回の株価対策有り)
平成19年2月:約1700円→1850円
同3月〜6月20日:1700円→2000円
同11月8日:1705円

バンダイビジュアル(※1度も株価対策なし)
平成18年4月;約50万円
同5月〜平成19年4月:(3度の上方修正をするも)約50万円→28万
平成19年4/6日〜9/26:28.1万円→21.4万円
同9/27〜10/12:21.4万円→23.7万円
同11月8日:21.9万円


親の株価対策と子の業績発表、両社の株価の推移を時系列に並べ突合し、
連結の外観から判断するとおもしろいことが分かりますね。


H18.4 「グループの資金の有効活用の名の元に」子会社から一斉に資金を集めたとき嫌な予感がしたが、嫌な予感が当たってしまった。
今回の仕業は、この時既に仕組まれていたと思われる。

つまり、バンダイナムコHL社長は、元々銀行屋なのでこの様な計画/仕業は朝飯前である。自分の会社(バンダイナムコHL)さえよければ、個人の株主のことなんかどうでも良い。


しかし
ガンダム扱ってる会社がこんな会社だとは。


おまいらと話せてとても楽しかったお…。

ガンダム好きからヲタになって、一般人の友達とは縁がなくなり、気づけばいつも一人ぼっちのキモヲタ街道まっしぐらな俺に一筋の希望を与えてくれた銘柄…。

値下がりしても、会社の将来への成長と優待と配当金と燃え(萌え)関連市場のさらなる発展を期待して保有してた…。

もう、そんなのともお別れやね。

これからは、友達も少なく本当に貧しく生きていくよ…。

希望も何もありゃしない…。


ここでは取り上げなかったけれども、いろんな意味で危険な投稿も多かったです。
その気持ちはよく理解できます、うん。


ついでに、ちょっと中間決算にも眼を通してみたんですけど、バンダイビジュアルの直近の業績は悪いです。
たしかにアイマスのDVDとか売れてないですし。
(アイマスって素直に、新舞-HiMEという名目にしとけば、今の二倍は売れただろうに。作品自体は悪くないわけだから)

あと電脳コイルとかも売れてないのか。
アレはもっと売れてほしいんですけど。

そういえば、以前、バンビのHPにアクセスしたときに、solaの広告がトップに貼ってあって、「solaってそんなに売れる商品なのか」って疑問に思ったことを思い出しました。

B000QCTQOIsola color V(初回限定版)
岡本信彦、能登麻美子 小林智樹
バンダイビジュアル 2007-10-26

by G-Tools



この時点でバンナムがTOBをかけるということは、バンナムは今がバンビの業績の底だとみなしてるんだと思います。
これからはガンダム00があるから、業績が上向くと考えてるんでしょう、たぶん。
本当に売れるのかどうかはわからないですけど、ガンダム00。

以前、投資家の竹田和平氏が

大企業の子会社は買ってはいけない。親が腐ると子も腐る。

ってことを仰ってたんですけど、コレは今回の件で実感しました。
まあ、バンナムが腐ってる、ってことを言いたいわけじゃないんですけど。
子会社に投資するのはリスキーだなってことで。


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2007年08月17日

うっわ、円高スゴっ

ここ数日、ちょっと忙しかったもんで、相場も見てなかったんですけど、今日見てみたら驚いた。

1ドル113円?

うっそ?
何、この急激な円高って。

いやー、たったの数日で、ここまで一気に円高が進むとは思わなかったなあ。

ここ数年、ずっと円安だったじゃないですか。
トヨタとかの輸出関連の会社の業績が絶好調だったりして。

私はいつまでも、この円安状態が続くとは思えなかった。
その理由の一つとしては、いつまでも日本の輸出産業が儲けまくり、ってのは常識的に見てありえないだろうってこと。
あと、もう一つの理由は、団塊の世代が退職金でアメリカ、ヨーロッパの債権を中心としたファンドを買ってたりしたってこと。
これは身近でいくつか、そういう実例を見てた。
債権の金利っていうものが、どういう仕組みで上がったり下がったりするのかすら、よく理解してない人たちが、「日本の金利は安いから」という理由で、こういうファンドを買ってた。
もし、このまま円安が進むのなら、こういう「素人」が儲けてしまうことになる。
酷な言い方だけど、「素人」は損をするものと相場が決まっているので、これから円高になるんだろうな、って思ってた。

なので、世間の逆を行こうと思って、内需関連株をちまちま買ってたりしてました。
輸出関連株はほとんど買ってなかったんで、円安効果で業績好調な株を横目で見ながら、せっせと内需関連株ばかり買うという、まるでアンチらき☆すたのアニオタ状態だったんですけど、やっと私の時代が来たか。
待ちくたびれたぜ、まったく。

と思ったら、今回の株価暴落で、


自分の持ち株も爆下げしてやんの。

ここ数日で、せっかくの含み益がかなり消し飛んだ。
おいおい、サブプライムなんたらと、この株がいったい何の関係があると?

まったくもって、株価の動きが理解できないんだけど、まあ、株なんて下げるなら下げりゃあいいんですよ。
下がったら下がっただけ買えばいいしぃ。
あ、そうは言っても、損切りだけは、しっかりしたほうがいいとは思いますけど。

しかし、今回、暴落の引き金になった、アメリカの不動産バブルって、かなり前から言われてたことなんですけどねえ。
そういえば、サッカーの中田が2005年にニューヨークのマンションを購入した、という話を聞いて、
「こんなバブルだって言われてるときに、そんなの買って大丈夫なのかいな」
と思ったりしたっけ。
おっと、貧乏人が金持ちの心配してどうするんだか。
ブスが美人に「あなたのメイクはちょっと間違ってる」って言うようなもん。

しかし、今回の暴落で、以前から狙ってた株がバカバカ下げてるんで、ちょっと楽しみ。
だけど、買い時がむずかしいなあ。
バリュエーション的には、明らかに安い段階まで下がってるけど、ぜんぜん底を打った感じがしないし。
今日なんてストップ安付近まで下げてたし。

関連:円が上昇、株は続落:識者はこうみる

●疑心暗鬼の株売り、鋭角的に戻る可能性
 <ドイツ証券東京支店 副会長兼チーフ・インベストメント・オフィサー 武者 陵司氏>
 疑心暗鬼のセリング・パニックが起きている。オーバーリアクションであり、鋭角的に戻る可能性がある。
 現在起こっているのはクレジットの悪化とその先にある景気悪化や企業収益悪化という2つの可能性に対して市場が心配しているという状況だ。クレジットの問題だけならば時間と政策で解消できるが、それが景気を冷え込ますなら深刻になる。

 だが米サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題は局地的な問題であり、世界経済のファンダメンタルズは米国を含めてしっかりしている。米企業の労働分配率は低くバッファがある。これまで企業業績が好調なときにリセッションが起きたことはない。サブプライム問題が広範な景気後退をもたらす可能性は低いとみている。米国で不安心理が膨らみ消費に大きな影響を与えるかどうかが最大のポイントになるだろう。
 サブプライム問題による疑心暗鬼が解消され、資産のリクイディティ化が一巡すれば壮大な買い戻しが起きる可能性がある。日経平均で見れば1万6000円を割れた水準が底だろう。反転すれば1万8000円から1万9000円への上昇はありうるとみている。


武者先生が楽天的ってことは、これから酷いことになるのを覚悟しなきゃいかんなあ。

[追記]
FRBの金利引き下げ発表で、とりあえず週明けは大丈夫そうです。
混乱がこれで収まるのかどうかってのはわからないですけど。

関連:素朴な疑問 - 緩円安と急円高

2007年07月31日

任天堂の株価推移をまとめてみた

アニメ会社の値段(時価総額)ランキング

この記事をアップしたのが、7月18日。
記事の中で、日本全体の企業の時価総額ランキングを5位まで紹介しているんだけど、その後に、こんなことを私は書いている。

ところで、日本企業全体の時価総額ランキングを見ていたら、10位と11位の企業がすごく面白かった。
その並びを見てると、ちょっと笑えるんですけど、これは、次回の記事に使わせてもらうので、今は書きません。

このとき、Yahoo!ファイナンスの時価総額ランキングの10位と11位はこうなってました。

jikasougakuranking.jpg

この記事を書くときに調べてたら、たまたまランキングがこの状態だったわけです。
これ面白いなー、と思って、ソニー、任天堂、それにマイクロソフトと、ゲームのハード機を発売してる会社の時価総額比べみたいな企画をやろうかな、と思ってた。

だけど、その1ヶ月前くらいに、任天堂、時価総額一時ソニー上回る」っていうニュースが配信されてたみたいです。
思いっきり出遅れた・・・・。

なので、この企画は時機を逸してしまってるんで、止めることにしました。
あと1ヶ月くらい早めにやっておけば、ロイターとか出し抜けたのになあ。
ロイターって何なのか、いまだに理解してなかったりするけど。

ついでに、一応、時価総額順に並べてみると、こうなってます。

マイクロソフト 33兆円(1ドル120円で計算)

任天堂     8.2兆円

ソニー     6.3兆円

しかし、この時価総額ランキングを見ると、任天堂の時価総額はソニーを上回っているだけでなく、
10位 武田薬品工業
9位 NTTドコモ
8位 ホンダ
7位 日本電信電話(NTT)
をも上回って現在6位なんですけど、これって、いくらなんでも高すぎじゃないですかね?
ホンダ、NTTよりも上っていうのは、ちょっと過大評価のような気がしないでもない。
まあ、私の予想はよく外れるんで、軽く無視してもらってかまわないんですけど。

さて、このように、任天堂、ソニー、マイクロソフトの時価総額比べがぽしゃったので、代わりと言っちゃあなんですが、任天堂の株価推移を見てみよう、という企画を考えてみました。

実は、任天堂には、あまり注目してなかったので、どんなふうに株価が推移してきたのか、まったく知りません。
なので、個人的な興味も結構あったりして。

任天堂の過去数年の株価推移はこうなってます。

nintendoukabuka2.jpg

綺麗な右肩上がりのチャートになってますが、最近の上昇ピッチはかなり激しいです。
2003年あたりの株価がだいたい1万円くらいだから、数年で5倍になってます。

このチャートでは2003年くらいまでしか載ってませんが、2001年から2002年にかけて、株価は2万円から1万円近辺まで下がってます。
で、2003年で底を打ち、そこから上昇トレンドへ、という流れです。

仮に2003年あたりの株価、1万円で買っていたとしたら、株価が五倍近くになっているだけでなく、今の配当が一株あたり700円。
つまり、7%の配当利回りってことですか。
うらやますぃ。

こうしてみると、2003年が底だったわけですが、この当時はたしか任天堂に対する悲観論がかなり強かったように記憶してます。
ある株の雑誌には「任天堂はもう終わり、つーかゲーム業界自体がもう終わってっから」みたいなことを書かれてました。

これは別に、日本だけの見方ではなくて、たしか外資系の証券会社も、「任天堂は売り」というレポートを出してたはずです。
ちょっと業績を見てみると、2004年の経常利益は前年の半分まで落ち込んでいたりするので、株価の下落も、これを見越してのことだと思います。
だけど、本業での儲けを表わす営業利益は増益だったりするんですけど。
私の場合は、経常利益よりも営業利益のほうを重視してるんですけど、一般的には経常利益を重視するのが普通なので、株価の下落もそれなりに理由のあってのことではあります。
だけど、営業利益が増益の会社の株が1年で二分の一っていうのは、過剰反応のように思いますけどね。
(まあ、後からは何とでも偉そうなことは言えるんで、ここらへんは軽く聞き流しちゃってください)

現在の任天堂の好調が始まったのは、ニンテンドーDSの空前の大ヒット、なのは誰もが認めるところだと思います。
WiiはまだDSのように覇権を握った、とはいえない状況かもしれませんが、Wiiの好調も任天堂の業績にはプラスに働いてますね。

では、DS、DS Lite、それにWiiの発売日をこのチャートに示してみると、こうなります。

DSetc.jpg

こうしてみると、Wii発売後の上昇ピッチが急すぎるような気がします。
Wiiが次世代ハードで確固たる地位を占めたわけではないというのに。
Wiiは必ず、次世代ハードで勝ち残るという、確信があって買ってるんですかね、みなさん。

それに比べると、DS発売後の1年って、あまり上がってないような気がしません?
というか、多少下がっている局面もあるくらいです。

Wiiも好調ではありますが、それでも商品としてのインパクトとしてはDSのほうがはるかに上のはずです。
年寄りが携帯ゲーム機を買う時代が来るなんて、だれが想像したでしょう?
ありえないことをやってのけた商品がDS。
近年の日本でいちばんのヒット商品です。

で、その年寄りがゲーム機を買うというありえない状況を作り出したのが、このソフト。

東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング

脳を鍛える大人のDSトレーニング『ウィキペディア(Wikipedia)』

その後、2005年の9月にはお年寄りへの敬老の日のプレゼントとして選ばれるという、従来のゲームソフトでは見られなかった珍現象が起こる。発売初週は5万本弱を販売した後も順調に販売本数を延ばし、9月には週3万5000本を超え、売上は発売4ヶ月で30万本を売り上げる大ヒットとなる。その後も売れ続け、発売から6ヶ月後の2005年11月には累計70万本を突破。年末のクリスマス商戦で累計100万本を突破し、ほぼ同時期にDS本体も売り切れるという大ヒットにつながった。


DSを空前のヒット商品にしたのが、このソフトであることは疑いの余地がないと思います。
やっぱり、これがなければ、DSは今までの携帯ゲーム機とそう大して変わらなかったはず。
脳トレがなければ、ドラクエがDSで出るなんていうこともなかったでしょうし、なんだかんだ言っても脳トレの存在が任天堂に与えた影響は大きい。

で、脳トレの発売日と、脳トレが100万本突破した時点をチャートに示してみるとこうなります。

noutore.jpg

こうして見ると、「脳トレが年寄りの間でヒットしてるらしい」という情報を聞いた後で、任天堂の株を買っても「十分儲かっていた」ってことになりますね。

私はゲームオタクじゃないのでゲーム関係の情報には詳しくないですが、ゲームオタクの皆さんには、儲けるチャンスがちゃんとあったわけですよ。
すぐ目の前に。
・・・・・・・・ご愁傷さまでした。

ただ、当時、コアなゲームファンは、DSを過小評価してたような記憶があるんで、ゲームオタクだったら儲けられたはず、ってのはあたらないかもしれないですけど。


[今回の記事を書いてみて思ったこと]
株の世界では「ダメ企業が復調したときが一番儲かる」とか言いますけど、任天堂はまさにソレです。
PSに負けてたときも、ずっと黒字だったし、保有してる金融資産はちょっとした国家予算なみの任天堂をダメ企業というのは不適格かもしれないですけど、実際、当時はダメ企業とみなされてましたからね。
少なくとも株式市場にまったく期待されてない企業だったのは事実。

それともう一つ、年寄りに何かが流行るときは、じわじわ流行るな、と。
何かが流行ってる、っていう情報を聞いた後でも、十分についていけるんですね、年寄りの場合。
若者の場合だと、流行り廃りが激しいので、そういう情報はすぐ劣化してしまうんだけども。
脳トレも結局、300万本の売り上げを記録したらしいし、続編の
東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング
これは、400万本らしいし。

これからは年寄りに何が流行るかを常にチェックしないといかんな、と。

それにしても気になるのは、DSを脳トレ目当てで買った年寄りは、その後、いったい何のソフトを買っているんだろう、ってこと。
気になりません?
私はめっちゃ気になるんですけど。
マリオとかは、年寄りには絶対ムリだろうし。
(そもそもマリオが小さすぎて、視認が不可能)
RPGをやるとも思えないし。
(魔法の名前を覚えられなそう)
何のソフトを買っているんだろう、しかし。
どこか、調べてくれればいいのに。

今、ちょっと思いついたんですけど、DSで本の発売ってできないのかな、って。
朗読つきで。
年取ってくると、字が読めなくなるし、朗読つきだったら需要はあるんじゃないか、って思うんだけど。
一本あたりの値段もかなり安くできるだろうし。

だけど、それなら、字がデカい本だしたほうがずっといいのか。

[おすすめ本]
ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け
ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜けピーター リンチ ジョン ロスチャイルド Peter Lynch

おすすめ平均
stars身近なところにも、暴騰する株はあるということを指摘
stars読み物として面白い!それだけじゃない
starsすばらしい著作
stars何度でも読み直したい本です
starsすいすいと読めます

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この本を読んでも、私のように株で勝てない人間もいるので要注意。
だけど、とてもいい本です。

あ、最後に書いておきますが、ニンテンドーDS Liteを昨日、買いました(←今さら)。
紺のヤツを買ったんだけど、これ指紋がめっちゃつくよ。
指紋ついてない状態だと、すごく綺麗なボディなんだけどなあ。

2007年07月26日

ゲーム会社の値段(時価総額)ランキング

さて、今回はゲーム会社の値段(時価総額)ランキングをやってみたいと思います。

時価総額っていうのは何かっていうと、
「株式市場がつけた会社の値段」である、ということは、

アニメ会社の値段(時価総額)ランキング

この中で書きました。
詳しく知りたい人は、これを読んでください。

前回のアニメ会社の記事は、やたらと長くなってしまったんで、今回は手短に。
というか、私はゲームビジネスには全然詳しくないもんで、書くことがあんまりないってのが本当のところなんですけど。

そもそも、ゲーム自体をあまりやらないですからねえ。
メタルギアソリッド、GTA、ウイイレ、くらいしか夢中になってやらないですし。

で、そんなゲーム素人の私が、このランキングを作ろうと思って、ゲーム会社をピックアップしてたんですけど、ゲーム会社って半端じゃなく多い!!!

上場しているアニメ会社として、7社+アニメ関連会社を3つばかりあげたんですけど、ゲーム会社ってその2倍近くあった。
これは大変なので、勝手ながら携帯電話用ゲーム、PCゲームを専門にしてる会社は除きました。
それでも13社もあるんですけど。

ということで、ピックアップしてみたゲーム会社は以下のとおり。

コナミ、アトラス、セガサミーホールディングス、ブロッコリー、バンダイナムコホールディングス、カプコン、ディースリー、ハドソン、コーエー、任天堂、スクウェア・エニックス、テクモ、ユークス

この並びを見ると、「時価総額1位」がどの会社かは、たぶん簡単にわかると思います。
というか、アレですよ。
これらの会社で一番大きいのがどれだか分からなかったら、その人はゆとり教育をおのれに課した文科省を恨みましょう。

私は、「たぶん、この順で大きいだろう」とあたりをつけてランキングを作っていったんですが、一位が簡単なのは当たり前として、上位の6社くらいまでは、ほぼ予想通りでした。
ただ、やっぱり、下位のほうの会社はわかりにくい。
ディースリーなんていう会社は今回初めて知ったくらいですし。

さて、前書きはこれくらいにして、ランキングです。

ちなみに、アニメ会社のランキング上位3社の時価総額はこんな感じ。

1位 東映アニメーション 463億円
2位 バンダイビジュアル 368億円
3位 トムスエンタテイメント 177億円


[ゲーム会社の時価総額ランキング]

1位!!!
[時価総額]
7.5兆円
[会社名]
任天堂
大証1部:7974
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]ゲーム機ハード・ソフトで総合首位。携帯型に強み。ドル建て資産多く期末為替で経常益変動。
[最低投資金額]
530万円
[自己資本比率(安全度)]
69.9%(無借金経営)
[ゲームタイトル]
ニュー・スーパーマリオブラザーズゼルダの伝説 夢幻の砂時計おいでよ どうぶつの森ポケットモンスター ダイヤモンド(特典なし)

2位
[時価総額]
5530億円
[会社名]
セガサミーホールディングス
東証1部:6460
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]純粋持ち株会社。傘下にパチスロ最大手のサミーと業務用ゲーム・AM施設運営最大手のセガ
[最低投資金額]
19万5300円
[自己資本比率(安全度)]
61.5%
[ゲームタイトル]
龍が如く2バーチャファイター5 特典 PS2「Virtua Fighter 10th anniversary 復刻版」付きJ.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!5

3位
[時価総額]
5111億円
[会社名]
バンダイナムコホールディングス
東証1部:7832
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]05年9月バンダイとナムコが合併。玩具トップ。施設等総合エンタメへ。純粋持ち株会社。
[最低投資金額]
19万9600円
[自己資本比率(安全度)]
67.1%
[ゲームタイトル]
鉄拳5テイルズ オブ デスティニー(特典無し)リッジレーサー7機動戦士ガンダム MS戦線0079 特典 メモリアルディスク付き


4位
[時価総額]
4234億円
[会社名]
コナミ
東証1部:9766
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
純粋持ち株会社。ゲーム軸にデジタルコンテンツ、フィットネス、カジノ機等も。グローバル展開。
[最低投資金額]
29万5000円
[自己資本比率(安全度)]
57.3%
[ゲームタイトル]
メタルギア 20th アニバーサリー メタルギア ソリッド3 スネーク イーターJリーグ ウイニング イレブン 2007 クラブ チャンピオンシップ実況パワフルプロ野球ポータブル2

5位
[時価総額]
3883億円
[会社名]
スクウェア・エニックス
【東証1部:9684】
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
03年にエニックスとスクエアが合併。「ドラクエ」「FF」シリーズ保有。タイトーを買収。
[最低投資金額]
35万円
[自己資本比率(安全度)]
60.0%
[ゲームタイトル]
ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君ファイナルファンタジーXII(特典無し)聖剣伝説4 特典 オリジナルMAXIシングル付き

6位
[時価総額]
1544億円
[会社名]
カプコン
東証1部:9697
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
家庭用ゲームソフト大手。「鬼武者」等の人気作品有す。ゲーム施設運営等も展開。
[最低投資金額]
24万8000円
[自己資本比率(安全度)]
49.3%
[ゲームタイトル]
モンスターハンターポータブル 2ndバイオハザード4鬼武者3

7位
[時価総額]
1369億円
[会社名]
コーエー
東証1部:9654
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
PCソフト・家庭用ゲームソフト大手。「信長の野望」等歴史物強い。欧米・アジアも本格展開。
[最低投資金額]
19万9500円
[自己資本比率(安全度)]
85.0%
[ゲームタイトル]
コーエー定番シリーズ 三国志VII真・三國無双4 猛将伝信長の野望 【革新】

8位
[時価総額]
357億円
[会社名]
ハドソン
ヘラクレス:4822
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
ソフト開発老舗。ゲーム機向けに加え携帯やオンライン向け開発など強化。コナミ子会社に。
[最低投資金額]
18万5800円
[自己資本比率(安全度)]
69.4%
[ゲームタイトル]
ボンバーマンポータブル天外魔境III PlayStation 2 the Best桃太郎電鉄DS TOKYO&JAPAN

9位
[時価総額]
338億円
[会社名]
テクモ
東証1部:9650
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
ゲーム施設、家庭用ソフト中堅。携帯コンテンツ、パチンコ・パチスロ受託開発も収益源に。
[最低投資金額]
13万6200円
[自己資本比率(安全度)]
77.4%
[ゲームタイトル]
デッド オア アライブ エクストリーム 2スイングゴルフ パンヤ零 ~紅い蝶~ PlayStation 2 the Best

10位
[時価総額]
83億円
[会社名]
アトラス
JASDAQ:7866
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
「プリクラ」で一世風靡、遊戯施設が収益柱、タカラトミーからインデックスHD傘下に。
[最低投資金額]
5万9400円
[自己資本比率(安全度)]
62.8%
[ゲームタイトル]
真・女神転生III-NOCTURNE(通常版)オーディンスフィア

11位
[時価総額]
73億円
[会社名]
ディースリー
JASDAQ:4311
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
廉価ゲームソフトや携帯電話向けコンテンツに強み。純粋持ち株会社。フィールズ傘下に。
[最低投資金額]
35万円
[自己資本比率(安全度)]
45.5%
[ゲームタイトル]
SIMPLE2000シリーズ Vol.81 THE 地球防衛軍2SIMPLE2000シリーズ Vol.90 THE お姉チャンバラ2SIMPLE2000シリーズ Vol.119 THEサバイバルゲーム2

12位
[時価総額]
51億円
[会社名]
ユークス
ヘラクレス:4334
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
家庭用ゲームソフトの受託開発メーカー。プロレスゲームで著名。米国THQ社向けが主力。
[最低投資金額]
4万6500円
[自己資本比率(安全度)]
44.1%
[ゲームタイトル]
レッスルキングダム2 プロレスリング世界大戦エキサイティングプロレス7 SMACKDOWN! VS. RAW 2006

13位
[時価総額]
45億円
[会社名]
ブロッコリー
JASDAQ:2706
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
カードゲーム主力。秋葉原中心に直営店も。ガンホー中心としたソフトバンク傘下に。
[最低投資金額]
13万8000円
[自己資本比率(安全度)]
58.2%
[ゲームタイトル]
Gift -prism- Sweets So Sweetギャラクシーエンジェル Eternal Lovers ブロッコリー ベスト クオリティBroccoli Best Quality 新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd


ということで、一位は任天堂でした。
7.5兆円だから、二位のセガ・サミーの10倍以上です。
任天堂については、後で触れます。

多分、上位の会社の並び順はだいたい予想がつくんじゃないでしょうか。
私はなんとなくわかりましたけど。

その他の感想としては、ハドソンが有名な割りには、随分と小さいな、という印象。
テクモと同レベルの会社なんですね、ハドソンって。

さて、アニメ会社と比較してみると、ゲーム会社は規模が大きいです。
アニメ会社で時価総額一位だった、東映アニメーションが463億円。
ためしに、ゲーム会社のなかに入れてみると、ハドソンの上あたりで、中小規模の会社になってしまう。

もっとも、今はメディアミックスが当たり前の時代なんで、アニメ会社とゲーム会社の区別というのはかなり曖昧ではあります。

たとえば、任天堂は、「ポケモン」という世界的なヒットアニメを保有してるわけですし。
任天堂をアニメ会社と呼ぶことも不可能ではな・・・・・、いや、やっぱ無理。
だれがどう見ても任天堂はゲーム会社です。

それに、ゲーム会社の上位は、なにもゲームだけで収益を上げてるわけではない。
セガ・サミーなんてパチスロでも稼いでいるわけですし、コナミはスポーツジムだとか、カジノ機も手がけている。

しかも、このランキングはバンダイ・ナムコをゲーム会社に入れて、その子会社のバンダイビジュアルをアニメ会社に入れてたりするんで、かなり恣意的かもしれません。

が、それでも、ゲーム会社のほうが、アニメ会社より大きいというのは事実ではないか、と思います。

ほぼ、ゲームだけを作っているコーエーの時価総額が1300億円超、東アニが400億円超ということを考えると、やっぱりゲーム会社のほうが大きいです。
しかも、コーエーはゲーム会社で最大規模の会社ではないですし。
一方、東アニは、アニメ制作会社としては、最大規模なのは間違いないでしょうし。
(あ、ジブリとかのほうが大きかったりするのかもしれないですけど)

アニメ・ゲームは日本のコンテンツ輸出産業の代表みたいに言われてるのに、どうして、こういう差がついてしまうのでしょう?

国内の市場規模に限って言えば、ゲーム産業のほうが、アニメ産業よりも大きいらしいですが、それほど極端な差があるわけではないです。

データで見るゲーム市場

これを見ると、日本のゲーム市場規模は4000億から5000億といったところ。

アニメの市場規模については、はっきりしたソースがなかったんですが、Wikipediaによると、2000億から3700億程度らしい。

これらの二つのデータは、同じ測定法を用いてないので、あくまで目安でしかないですが、ゲームとアニメの市場規模にそれほどの差があるわけではないだろうと思います。

なのに、時価総額で見ると、こんなに大きな差がついてしまうのは、一つには、アニメは利害関係者が多数いるっていうのがあるかと。

前回、見たように、製作委員会方式だと、出資比率に応じて利益も配分される仕組みになってるので、一つの会社だけが利益を独占する、っていうことはあまりない。
それに比べれば、ゲーム会社はヒット作を出せば、ほぼその利益は自社のものになるので、そういうところで違いがでるのかもしれません。
しかも、ゲーム会社の多くは、社内に出版事業を抱えているんですが、そこで攻略本でも出せば、また儲かると。

それに、アニメの多くが、マンガ、ライトノベルなんかの原作付きですから、そういう部分でも利益が分散してしまうでしょうし。

それに制作費の問題もあります。
ゲームだと開発費ですか。

以前、アニメの制作費を調べたときに、攻殻機動隊の一話あたりの制作費が3000万円でした。
これは、アイジーの社長、また神山監督が言ってたことなんで、確実なソースです。
で、一期あたりが26話なので、26話×3000万円で、1シーズン分を作るのに7億8000万円かかってるわけです。
攻殻機動隊は、アニメの中では最高レベルで金をかけて作られたアニメ。
これを見たときに「7億8000万ってスゲぇーな」と思ったんですけど、それじゃゲームはどうか。
FF,ドラクエの開発費がいくらかってのは、確かなソースを見つけられなかったんですけど、少し前のFFが30億、40億っていうデータはありました。
信頼できるソースなのかわからないですけど。
まあ、とにかく、ドラクエ、FFレベルの大作ゲームになると、30億以上は確実にかかる、ってことらしいです。
アニメの制作費とは一桁違う。
しかも、アニメの場合は製作委員会とかを通して、リスクを分散させてるわけですが、ゲーム会社の場合は一社で開発費をまかなっているんでしょうし(ここらへん、実はよくわからないんですけど)。
こうなってくると、やはり東アニレベルの時価総額の会社が作れるもんじゃないです、こういう大作ゲームってのは。

今度は逆に、アニメ会社のほうが優れているところをあげると、「利益が安定してる」ってとこですかね。
アニメ会社の上位に限って言えば、会社の規模が小さいわりには、利益が安定してます。
それに比べると、ゲーム会社ってのは利益が安定してない。

そりゃ当然の話で、ゲーム会社の場合、その年に出したゲームタイトルで利益が左右されます。
たとえば、テクモという会社がありますが、この会社は2005年度に出す予定だった、デッド・オア・アライブが製作の遅れから、発売がズレてしまって、株価が暴落したことがあります。

アニメ会社がガンダムとかドラゴンボールとかの過去の遺産で、安定した収益を上げられるのに対して、ゲーム会社というのは、過去の遺産が成り立たない業種ですね。

初期ドラクエがいくら名作だ、って言っても、それをそのまま出して売れるわけじゃないですし。
ファーストガンダムをただDVDにしただけで、バカ売れするアニメとは違います。

スクエニが、ドラクエ、FFのリメイクを連発してウザがられているみたいですけど、これはアニメ会社のように、過去の遺産で利益を安定させたいという意図があるんじゃないでしょうか。

それから、スクエニのアニュアルレポートを読んでみたら、しつこいくらいに「わが社はオンラインゲームに注力してます」みたいなことが書いてあったんですけど、これも同じ狙いなんでしょう。
オンラインゲームなら、長期にわたって安定した収益をあげることができますし。

ところで、このスクエニのアニュアルレポート(PDFファイル)には、「株主の皆様へ」と題された和田社長の所信表明みたいなのが載っているんですが、その中で使われている和田社長の写真がちょっと変。

片手をポケットに突っ込んだまま、優しくこちらへ微笑みかける和田社長。
腕組みして、眼光鋭くこちらへ視線を投げる和田社長。
いろんな会社の事業報告書を読んできたけど、片手をポケットに突っ込んだ写真を使ってる経営者なんて初めて見ましたよ。
ちょっと、気色悪い

このランキングを作る前は、こんな感じで「アニメ会社に比べるとゲーム会社ってデカいよねー」みたいなことを書こうと思っていて、実際にそれは正しいとは思うんですけど、小さい規模のゲーム会社もそれなりにありました。

今回は取り上げなかったんですけど、携帯電話用のゲームを作ってる会社とか。
携帯電話用のゲームだったら、開発費もそれほどかからないでしょうし、少ない資本の会社でもそれなりにやっていけるんでしょう。

それから、個人的に面白いな、と思ったのが、このD3っていう会社。

[会社名]
ディースリー
JASDAQ:4311
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
廉価ゲームソフトや携帯電話向けコンテンツに強み。純粋持ち株会社。フィールズ傘下に。
[最低投資金額]
35万円
[自己資本比率(安全度)]
45.5%
[ゲームタイトル]
SIMPLE2000シリーズ Vol.81 THE 地球防衛軍2SIMPLE2000シリーズ Vol.90 THE お姉チャンバラ2SIMPLE2000シリーズ Vol.119 THEサバイバルゲーム2

SIMPLE2000シリーズを主に作ってる会社です。
私はこの会社の作ったゲームをやったことはないんですけど、開発費を抑えるために、他のゲームで使ったマップを使いまわすとかして工夫してるみたいです。

数年前には「大作ゲームしか売れない」みたいなことを言われていた時期があって、これからは大手のゲーム会社しか生き残れないんじゃないか、と私なんかは思ってました。
たしか、その頃にゲーム会社の合併が盛んにあったりしましたし。

しかし、携帯電話用のゲームがあったり、またDSのヒットで開発費を抑えることができるようになったりで、小さな会社でも生き残っていく術はちゃんとあるみたいです。

もっとも、大作ゲームに対する需要は確実にあると思うので、大手ゲーム会社の優位というのも、また確実にあるわけですが。

それから、低予算でゲームが作れるといえば、エロゲーです。
エロゲーメーカーで上場してるところは、ないみたいなんですけど、keyとかTYPE-MOONとかがそのうち上場するなんてこともあるかもしれません。

今は大企業の、コーエーも、スクエアもエニックスも、昔はエロゲーを出していたわけですし。

*任天堂の話をしようと思ってたんですけど、なんか長くなってしまったので、それは次回に。

*コーエーの出してたエロゲーのタイトルってのが、

団地妻の誘惑

オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?

と、なかなか洒落たタイトルだったんで、「いったい、どんなゲームなんだろう?」と知的好奇心がわいたので、調べてみたら、こんなゲームだったみたいです。

某有名メーカーの黒歴史その1
&その2


・・・・・・・・いや、これはちょっと・・・・、ありえねぇな。
こんな春画みたいな絵柄でぬけるか、っていうと、それはちょっと・・・。
さすがにプライドってもんがありますから、私にも。

一方、ここのサイトに載ってるスクエアのエロゲーのほうはかなり良さそう。
これならイケるっ!・・・・かもしれない。


日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法
タグ:ゲーム

2007年07月18日

アニメ会社の値段(時価総額)ランキング

前回の記事:株を買えるアニメ会社一覧

前回、書いたように、今回は「アニメ会社時価総額ランキング」をやってみたいと思います。

前回の記事も初心者向けに書いてたんですけど、今回も初心者向けです。
というか、そもそも私は上級者向けに株のことを書くなんてことはできないんですけど。

さて、時価総額とは何でしょう?
ライブドアがテレビで騒がれていたときに、この「時価総額」という言葉が何回も出てきてました。
ソフトバンクの孫さんも、一時期、「時価総額経営」なるものを掲げてました。
しかし、株をやってない人には何のことだか分からないと思いますんで、ちょっと説明してみます。

時価総額というのは次の式で表わされます。

時価総額=発行済株式数×株価

時価総額というのは、その会社の発行している株式数に株価をかけたものです。
うん。
これだけじゃ何のこっちゃわけがわかりませんね。
いったい、時価総額というのが何を表わしているんだか、よく理解できないと思います。

ここは、こんなふうに考えてください。
あなたが、ものすごいお金持ちだとします。
お金がじゃぶじゃぶあるあなたは(←うらやましい)、ある会社を買収しようと思いました。
その会社は上場しています。
この会社の発行済株式数は1万株、株価は1000円だと仮定します。
とすると、この会社の株式を100%買い占める(つまり、買収する)のにかかる値段はいくらになるでしょう?

発行してる総株式数が1万株で、株価は1000円なんだから、1万×1000円で1000万円ですね。
つまり、買収するのにかかる値段は1000万円です。
もっとも、市場で株を買い集めるとなると、株価は上がってしまいますし、また、買収するといっても、普通は100%の株式を買い集めたりはしないものなので、この数字はあくまでも目安でしかないですが。

で、今、この会社を買収する値段を計算するときに、発行済株式数×株価という式を用いたわけですが、これは上記した「時価総額」の式とまったく同じです。
つまり、時価総額というのは、その会社の値段なわけです。

アニメ会社の時価総額ランキングという、この企画はつまり、アニメ会社の値段をランキングにしてみようか、っていう意図です。
まあ、すでに、記事タイトルに「アニメ会社の値段ランキング」って書いちゃってますけど。
時価総額ランキングじゃ、何のことだかわかりにくいと思ったもんで。

ところで、時価総額=発行済株式数×株価ということなんですけど、この式のうち、発行済株式数は、基本的に変わりません。
増資といって、株を新たに発行したり、逆に自社株買いをして、消却したりすると、株数は減りますが、基本的に増減しません。

しかし、式の右側の株価は当然、変動します。
株価は日々動いてるものなので、毎日、時価総額は変動しているわけです。

そもそも、株価というのは何なのかというと、株式市場に参加している人たちが、「この会社の株はこれくらいの価値があるよ」とか「いや、この会社の株はそんなに値打ちがないから、売っちゃえ」とか言って、値段をつけたものです。

この値段(株価)というものはどこまで信用できるのでしょうか。

市場に参加している人たちのなかには、頭のいい人もたくさんいるわけで、そうそう変な値段(株価)がついたりはしません。
価値のない株をバカ高い値段で買ってしまうような人は、そのうち市場から退場させられてしまうので、なおさらです。

なので、株価というものは、それなりに適正な価格です。
たくさんの人が参加して、決めているものだから、そこそこは信用できる値段ということになるわけです。
まあ、集合知ってやつですか。

ただし、昔バブルが起こったように、馬鹿げた株価がついてしまうことも、確かにある。

株価が上がる→乗り遅れまいとして株を買う人が出てくる→また、株価が上がる→乗り遅れまいとして株を買う人がまたまた出てくる

みたいなスパイラルで、狂ったような株価がついてしまうこともあるわけです。
だれかが、
「これはヤバい」
と株を売り始めると、雪崩をうったように、株価も急降下。
地獄を見ます。

現在の日本の株価というのは、全体的に見れば、ごく適正価格で、高くもなければ、安くもない、といったところだと、私は思うんですけど、個別の株では、バブルが起こったり、またそのバブルがはじけたりといった現象が見られるものがあります。

たとえば、これ。

igkabuka.jpg

これは、自殺志願者が飛び降りる崖を断面化したもの、
・・・・・ではなくて、プロダクション・アイジーの株価チャートです。

2005年の12月に上場したあと、株価はドドドーン!と爆上げ。
最高値は110万円です。
しかし、その後、一気に急降下。
つい最近、9万円台まで落ちましたが、今は持ち直して12万円程度です。

つまり、最高値と現在とでは10倍近くの差があるわけです。
当然、時価総額も10倍くらいの差がついてます。

この間に、プロダクション・アイジーという会社に何か変化があったのでしょうか?
確かに、blood+なんていう駄作を作ってたりはしました。
あのアニメは詰まんなくて、結局最後まで見れなかった。

業績もそれほど良いとはいえません。
というか、2007年度は減益です。
しかし、2008年度は増益予想ですし、株価が10分の1になるほど、すさまじい変化がこの会社にあったわけではない。

これは、上場直後の高値が異常だったのです。
言ってみれば、バブルです。

そういえば、前回の記事はカトゆー家断絶さんに、「萌え株が話題になった時はやけに盛況でしたが…。 」というコメントを付けていただいたんですけど、『「萌え」関連市場は888億円』というレポートが出て、萌え関連とみなされた、まんだらけなどが急騰したのが、2005年の4月です。

「萌え」関連市場は888億円(PDFファイル)

それから半年ほどたって、プロダクション・アイジーの上場をきっかけにして、「萌え銘柄ブーム再来」みたいな感じで、アイジー以外のアニメ株も急騰したり、といったことがありました。
まあ、はっきりいって、無駄な株価上昇です。
というのも、このレポートのなかでは、最近「萌え」関連市場が急拡大した、ことには触れられてますが、これからも急拡大するだろう、ということはどこにも書かれていない。

ちょっと見てみると、2005年12月から2006年1月をピークにして、それから株価が下がり続けているアニメ会社がかなり多いです。
当のプロダクション・アイジーもそうですし、他にはバンダイビジュアル、マーベラス、GDH(ゴンゾ)なんかもそう。
GDHは株価がほぼ十分の一に。

gdhkabuka.jpg

当時のアニメ会社の株価は高すぎた、と思いますが、今の株価はそれなりに正常なような気がします。
というか、アニメ会社は将来が悲観されているせいか、どちらかといえば割安なんじゃないかと個人的には思う。

先ほど、時価総額は会社の値段だと書いたんですけど、正確に言うと、時価総額というのは、市場参加者がつけた会社の値段です。
だから、バブル状態にある株(昔のアイジーみたいなやつ)は、その会社の実体を表わしているとはいいにくい。

今のアニメ株を見てみると、「なんで、こんなクソ株がこんなに高いんだ?」みたいなのは、あまり見当たらないんで、このランキングは、そこそこ実体を映してるんではないか、と思います。

さて、それじゃ、実際にランキングを作ってみることにします。
しかし、ただ時価総額順に並べただけじゃ、芸がないか、と思ったんで、他の数値も付け加えてみることにしました。
今回は、こんな感じのフォームで書いてみます。

[時価総額]
上で書いたように、株式市場がつけた会社の値段です。
[会社名]
証券番号も付け加えてます。
[自己資本比率(安全度)]
思いっきり簡単に言うと、借金をすればするほど、この比率が下がります。昔は金利を払わないですむので、無借金経営が一番とされていたんですが、ファイナンスの考え方が一般的になってからは、どこの会社もある程度の借金(有利子負債)をするようになってます。一般的に言って、30%くらいが適正とされていて、20%以下になると危険とみなされます。
無借金経営の場合は、(無借金経営)とカッコ書きしています。
当たり前ですが、無借金経営の場合、倒産することはまずないので、安全度は極めて高いです。
[ROE(儲かってる度)]
日本語で言うと、自己資本利益率。簡単に言うと、自己資本(株主資本)を使ってどれだけ儲けられるか、ということ。あ、全然簡単じゃなかった。
一般的に言って、15%以上だと、優秀だとみなされます。
[代表作]その会社の代表作アニメ。前回もやったので、適当にぶちこんでおきました。

なんか、自己資本比率とか、ROEとか難しい単語が並んでますが、それぞれ、安全度(倒産しにくい度)、儲かってる度、だと考えてもらえばよいです。
まあ、「儲かってる度」は本当はROEじゃなくて、ROAのほうがいいかとも思ったんだけど、ROEのほうがよく使われる指標なんで、ROEにしときました。

さて、アニメ会社のランキングをする前に、このフォームを使って、有名企業を紹介してみたいと思います。

まずは、日本全体で見ると、どこの会社が時価総額一位なのでしょうか?
アレだろ?あの会社だろ、どうせ、あの会社なんだろ?という声が聞こえてくるような気がするんですけど、まあ、あの会社です。


時価総額ランキング日本一!

[時価総額]
27兆円(残りの端数はめんどいので省略)
[会社名]
トヨタ自動車
7203(東証一部)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
36.6%
[ROE(儲かってる度)]
13%
[代表作]
カローラ、クラウン、プリウス、レクサス
(↑なんか適当)

皆さんの予想通り、トヨタが一位でした。
そりゃそうだろ、って感じの結果ですが。
時価総額27兆円ということは、つまり、株式市場が「トヨタは27兆円の価値がある」とみなしている、ということですね。
トヨタみたいに大きな会社だと、ウォッチしている人もたくさんいるので、あまり変な値段がつくことはないです。

ついでに、これ以下の、時価総額ランキングは、
2位三菱UFJフィナンシャル・グループ 14兆円
3位みずほフィナンシャルグループ 9.9兆円
4位キヤノン 9,5兆円
5位三井住友フィナンシャルグループ 8.8兆円

となってます。
なんか、トヨタが圧倒的一位。

ところで、日本企業全体の時価総額ランキングを見ていたら、10位と11位の企業がすごく面白かった。
その並びを見てると、ちょっと笑えるんですけど、これは、次回の記事に使わせてもらうので、今は書きません。

その他にも、気になる企業を二、三見てみます。

[時価総額]
2兆8984億円
[会社名]
ソフトバンク
9984(東証一部)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
6.2%
[ROE(儲かってる度)]
23.7%
[代表作]
Yahoo!

[時価総額]
5143億円
[会社名]
楽天
4755(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
14.6%
[ROE(儲かってる度)]
1.4%
[代表作]
楽天市場

この二つの日本を代表するIT企業の有利子負債(借金)は、いつ見てもすごいです。
楽天5400億円!に、ソフトバンク2兆3千億円!!!
うーん、2兆円の借金を背負うってのは、どんな気分なんだろう。
想像がつかない。
それから、ソフトバンクの[ROE(儲かってる度)]が23.7%と高い数値が出てますが、このROEというのは、借金をしてレバレッジ(てこ)を効かせると、高い数値が出てしまうものなので、「ソフトバンクは儲けてるんだ」と思わないようにしてください。
はっきり言って、ソフトバンクは儲けてません。


[アニメ会社時価総額ランキング]
なんか、すんごく前置きが長かったような気がしますけど、やっと、アニメ会社の時価総額ランキングです。

このランキングには、角川、東北新社、インデックスは含めてません。
アニメ会社というのには、無理があるので。
これらの会社は別に示すことにします。

なので、東映アニメーション、トムス・エンターテイメント、プロダクション・アイジー、GDH、ウエッジホールディングス、マーベラス、バンダイビジュアル、ウィーブ、創通の9社でのランキングとなります。

さて、どの会社が時価総額一位なのか、自分でもよくわかってないので、今から調べながら書いていきます。
ちょっとだけ、ドキドキするなー。


1位!!!
[時価総額]
463億円
[会社名]
東映アニメーション
4816(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
82.6%(無借金経営)
[ROE(儲かってる度)]
13.61%
[代表作]
DRAGON BALL #9ふたりはプリキュア Splash☆Star 【10】TVシリーズ 北斗の拳 Vol.15ゲゲゲの鬼太郎 1

2位
[時価総額]
368億円
[会社名]
バンダイビジュアル
4325(東証一部)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
60.1%(無借金経営)
[ROE(儲かってる度)]
20.11%
[代表作]
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア機動警察パトレイバー DVDメモリアルボックス (初回限定生産)AKIRA DVD SPECIAL EDITION攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX (初回限定生産)

3位
[時価総額]
177億円
[会社名]
トムス・エンターテイメント
3585(名証2部)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
79.1%
[ROE(儲かってる度)]
9.72%
[代表作]
LUPIN THE BOX -TV&the Movie-名探偵コナンDVD PART15 vol.8それいけ!アンパンマン ザ・ベスト みんなだいすき!アンパンマン

4位
[時価総額]
120億円
[会社名]
創通
3711(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
77.3%(無借金経営)
[ROE(儲かってる度)]
9.24%
[代表作]
機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)ひぐらしのなく頃に 第2巻 初回限定版スクールランブル Vol.5

5位
[時価総額]
48億円
[会社名]
GDH
3755(マザーズ)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
25.7%
[ROE(儲かってる度)]
-80.19%(赤字のためにマイナス、営業利益もマイナス)
[代表作]
OVA カレイドスター Legend of phoenix~レイラ・ハミルトン物語~(限定版)バジリスク ~甲賀忍法帖~ vol.3 (初回限定版)パンプキン・シザーズ Men of Pumpkin 編 Vol.1 (初回限定生産)

6位
[時価総額]
47億円
[会社名]
プロダクション・アイジー
3791(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
71.2%
[ROE(儲かってる度)]
5.2%
[代表作]
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX (初回限定生産)精霊の守り人 第1巻 (初回限定版)劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に

7位
[時価総額]
35億円
[会社名]
マーベラスエンターテイメント
7844(東証2部)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
19.6%
[ROE(儲かってる度)]
-57.92%(赤字のためにマイナス、営業利益も赤字)
[代表作]
蟲師 其ノ壱ふたりはプリキュア Splash☆Star 【11】ストロベリー・パニック 7 通常版AIR GEAR DVD 03

8位
[時価総額]
13億円
[会社名]
ウィーヴ
2360(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
34.6%
[ROE(儲かってる度)]
-62.47%(赤字のためにマイナス、営業利益は黒字)
[代表作]
X-MEN リジェンド・オブ・ウルヴァリンSesame Street - Do the Alphabet

9位
[時価総額]
12億円
[会社名]
ウェッジホールディングス
2388(ヘラクレス)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
39.5%
[ROE(儲かってる度)]
-48.35%(赤字のためにマイナス、営業利益は黒字)
[代表作]
妖逆門 巻之八ラムネ Vol.6


このランキングを作っていてまず思ったこと。
それは、

赤字の会社がすんごく多い!!!

いや、GDHが赤字だということは知ってはいたけど、その他にも、マーベラス、ウィーブ、ウエッジと、ここまで多いとは思わなかった。
特に、GDH、マーベラスの両社は、本業の儲けを表わす営業利益でも赤字なんで、かなり大変です。

しかし、GDHなんて数年前までは、この10倍の時価総額があったわけで、それって異常だと思う。
当時は、一応黒字ではありましたが、その当時の時価総額は創通の二倍以上でした。
創通といえば、ガンダムの版権持っていて、何も仕事をしなくても金が入ってくる、という恵まれた会社ですよ。
なぜ、そんな会社よりもGDHのほうが評価されていたんだか、わけがわかりません。
今の株価のほうが、ずっと妥当だと思います。
しかし、ここまで赤字の会社が多いと、アニメ関連株が売られてしまうのも納得できるかも。

ランキング全体の話をすると、東アニが一位、バンビが2位、トムスが3位でした。
バンビが一位かな、と思ってたんだけど、一位は東アニ。
最近、業績がいいですからね、東アニ。

さて、このランキングを見てみると、古い会社が上のほうにランクしていて、新しめの会社が下のほうにきています。
その境目になっているのが、4位と5位のところで、そこから上の東アニ、バンビ、トムス、創通なんかは、かなり歴史のある会社です。
そこから下は、GDH、マーベラス、プロダクション・アイジーなど新らしめの会社が多い。

つまり、古めの会社の値段(時価総額)は高く、新らしい会社のそれは小さいわけですが、なぜ、そうなるのかっていうことを、自分なりに説明したいと思います。

まあ、どの業種でも、古い会社のほうが大きく、新しい会社は小さいもんなんで、わざわざ説明する必要もないような気がしないでもないですけど、そこをあえて。
私が思うに、この差が出てくるのは以下の二つの理由によるものではないか、と。

[過去の遺産]
バンダイビジュアルが機動戦士ガンダムDVD-BOXを売り出したのは、つい最近のことです。

機動戦士ガンダムDVD-BOX 2

このファーストガンダムのDVDはかなり売れたらしいです。
創通が最近ヒットアニメをプロデュースしたか、っていうと記憶にないんですが(ガンダムSEEDを除く)、それでもこの会社が安定した収益をあげているのはガンダムのおかげ。
もっとも、DVDの収益は創通には入りませんが。

ファーストガンダムがいつ放映したのかっていうと、1979年。
今から30年近く前の話です。
30年も前のアニメで未だに稼いでいるわけです、バンビと創通って。
(ところで、ガンダムORIGINのアニメ化って話はないのかなあ。ダブルオーなんかより、ずっと需要があると思うんだけど)

次に東アニの決算短信を見てみます。

平成19年3月期 決算短信(PDFファイル)


[映像制作・販売事業]

(前略)「ドラゴンボールZ」の単巻DVDや劇場版DVDーBOXに加え、「ゲゲゲの鬼太郎」「北斗の拳」「Dr.スランプ アラレちゃん」のDVD-BOX等が好調に推移したため、大幅な増収となりました。


ここで出てる「ゲゲゲの鬼太郎」は「DVD−BOX」という言葉があることから、現在放映中のものではなく、昔放映してたやつです。
Wikipediaによると、

原作同様に親しまれているアニメ版は2007年現在まで1960年代・1970年代・1980年代・1990年代・2000年代と、各年代ごとに5つのシリーズ作品が製作されている。70年代以降のシリーズは約11年周期で製作され、ある程度の規則性も認められるが、これが製作側の意図するものなのか、偶然なのかは不明である。

と、5つもシリーズがあるらしいんで、どれが売れたんだかわかりませんが、とにかく昔の「鬼太郎」が、今も収益に貢献している、と。

その他にも、ドラゴンボールZ(1986年〜1996年)、北斗の拳(1984年〜1988年)、Dr.スランプ アラレちゃん(1981年〜1986年)と、かなり昔のアニメが未だに収益を上げています。

こうしてみると、古いアニメ会社のほうが、圧倒的な優位にたっているのは当然のことです。
新作アニメだけでなく、古いコンテンツからも収益をあげられるわけで、収益力が新しい会社とは全然違う。

カレイドスター(GDH)、蟲師(マーベラス)という人気作を保有していても、そりゃ、ガンダム、ドラゴンボールにはかないません。


[製作委員会方式]
製作委員会方式
-Wikipedia


映画などのエンターテイメント作品を作製する時には、その作品の興行が上手く行かなかった場合に大きな負債を抱えてしまうというリスクが存在する。実際に、製作した映画が振るわなかったため倒産・合併に追い込まれた会社も少なくない(例:映画『ファイナルファンタジー』の不振による、スクウェアとエニックスの合併)。このために、リスクを分散するために考案された手法である。

製作委員会方式では、複数の会社に出資を募り、リスクを分散する一方で、利益を出資比率に準じて分配する。スポンサー企業にとっては、1作品への投資を減らすことができるため、1社が多くの作品に関与することが可能となる。そのため、製作委員会方式は映画製作費を調達することを容易とした。現在、邦画市場が空前の復活を果たしているが、これは製作委員会方式のため、テレビ番組制作企業が映画業界への進出が容易になったためとされる。近年のテレビアニメの本数増加も製作委員会方式の導入によるところが大きい。


涼宮ハルヒの憂鬱のOPの最後に「SOS団 」っていうクレジットが出てるんですけど、これが涼宮ハルヒの憂鬱の製作委員会の名前です。
他にも、

魔法少女リリカルなのはーなのはPROJECT
ローゼンメイデンー薔薇乙女製作委員会
瀬戸の花嫁ー瀬戸内魚類協同組合
まなびストレートー聖桜学園PTA

これらは、みんな製作委員会の名前。

こういう、凝った名前をつけなくても、普通に「○○○(作品の名前)製作委員会」って名前のやつもあります。

『灼眼のシャナ』製作委員会 とか、ゼロの使い魔製作委員会とか。

さて、Wikipediaの、この項には、「深夜アニメはほとんど製作委員会方式で作られている」と書かれているんですが、これが問題。

というのも、「製作委員会方式では、複数の会社に出資を募り、リスクを分散する一方で、利益を出資比率に準じて分配する」ことになっているので、そもそも「お金」がない会社は出資できません。
ということは、当然、利益を分配してもらえないわけです。
利益は出資比率に応じて分配するわけですから。

以前、どこかで、「プロダクション・アイジーのIR資料が面白いんで、いつか紹介してみたいと思います」みたいなことを書いてたんですけど、そのまま紹介するのを忘れてました。
本当は、一つの記事として書きたかったんだけど、まあ、いいや。
ここで紹介してみます。

プロダクション・アイジー説明会資料

この資料のなかで、「業界の状況」という一節があり、これが結構面白い。

igsetumeisiryou.jpg

「制作費は前年比若干の増加であるが、これを430社で分け合う構造。制作だけでは頭打ちの状況」
「圧倒的に大きい二次市場(版権)が収益拡大の鍵」


という文が見えます。
それに続いて、

「制作会社は下請けになることが多く、ヒットのリターンを得ることができない状況が続いた」
「現在、各社とも利益率の高い版権収入を確保する方向に動いている」

と書かれています。

つまり、ただアニメの制作をしていただけでは儲からない、ということです。
たとえ、そのアニメがヒットしたところで、儲かるのは「製作委員会」に出資できる広告代理店、テレビ局などの「資金力のある」会社だから。
「製作委員会」に出資していない、下請けの制作会社が手にするのは、雀の涙ほどの制作費でしかない。

IR資料に、こういうことが書かれているということは、プロダクション・アイジーの上場も、版権を確保するための資金集め、というちゃんとした目的があってのことかもしれません。
いやー、ただ単に、証券会社にそそのかされて上場しただけなんじゃないか、と思ってましたけど。
意外にちゃんとしてたのかも。

さて、何の話をしてたんでしたっけ?
そうそう、古いアニメ会社のほうが有利、という話です。

今、述べた「製作委員会」の話を勘案してみると、要するに、アニメで収益をあげるには元手(お金)が必要だ、ということです。
では、これらのアニメ会社の資金力を見てみましょう。

このランキングに登場してくるアニメ会社の、現金同等物(要するに持ってるお金)から有利子負債(要するに借金)を引いて、資金力を見てみます。
本当は、売掛金、買掛金を足したり引いたりして、フリーキャッシュフローを出したほうが、会社の実態を表わしているんですけど、その数字の出し方をすっかり忘れてしまったので、簡便な方法で表わします。
これでも、目安としては有効なはずです。
(手元にあった四季報使ってるんで、数字がちょっと古いかもしれません。だけど、そう変わってはないですから)

では、ランキング順に。

東映アニメーション
122億円(無借金経営)

バンダイビジュアル
97億円(無借金経営)

トムス・エンターテイメント
71億円(ほぼ無借金経営)

創通
54億円(無借金経営)

GDH
-47億円(有利子負債が63億円)

プロダクション・アイジー
13億円(ほぼ無借金経営)

マーベラス・エンターテインメント
-22億円(有利子負債が30億円超)

ウィーブ
10億円

ウエッジ・ホールディングス
4億7千万円

古いアニメ会社は、過去のコンテンツでも儲けられるから、収益力がある、ということを上で書いたんですけど、その収益力というのは、財務体質に如実に現れていて、東アニから創通までの一位から4位までは、ほぼすべて無借金経営です。

しかも、どの会社もかなりのキャッシュリッチ。
それに対して、歴史の浅い会社である、GDH、マーベラスなんかは、有利子負債のほうが大きいです。
もっとも、一般的に言えば、これくらいの有利子負債というのは、そう珍しいことではないです。
どっちかといえば、上位の4社が、普通の会社と比較すると「金を持っている」という感じだと思います。

アイジーは歴史が浅いわりには、金を持ってますね。
上場したことで集めた資金もあるでしょうし。
ウィーブ、ウエッジはよく知らないのでスルー。

さて、版権を得るには、製作委員会に出資しなければいけないわけですが、こうして資金力を見てみると、これは上位の4社のほうがずっと有利な状況におかれていることが分かると思います。
アイジーのIR資料に書かれていたとおり、「版権収入を増やさないと成長できない」わけですから。
版権を得るための資金を持っているのは、明らかに時価総額ランキング上位の、古いアニメ会社。

しかし、そう考えてみると、新しめの会社の株を買う理由っていうのが、見当たらないんですよね。
普通、古い会社よりも新しい会社の株を買うのは「成長性に期待して」買う場合が多いわけですが、アニメ会社の場合、古い会社のほうが、資金力があるので成長が期待できる、ということになってしまいますから。

[訂正]http://www.smrj.go.jp/keiei/chosa/021413.html
ここの「コンテンツ産業の方向性に関する調査研究」を読むと、著作権を獲得することだけが、成長の条件というわけではないみたいです。
かえって、著作権を保持してない企業が黒字だったりもするらしい。
もっとも著作権を獲得してからの資金回収には時間がかかるわけで、一概には言えないわけですが。

しかし、ここ数年はアニメ製作バブルだったので、著作権を保持しないで制作に専念しても成長することは可能だったんでしょうが、この状態がそう長く続くとも思えないので、これからもこの状況が続くかどうか、ってのは難しいところだと思います。
また、著作権を獲得しても、アニメってのは当たり外れがあるわけだから、そう簡単にはいえないのかな、と。
ガンダム、エヴァレベルのヒット作の著作権を保持してれば、そりゃ儲かるに決まってますが、ガンダム、エヴァクラスのヒット作なんて、そう出ないですしね。

これで終わりなんですが、アニメ関連の角川、インデックス、東北新社の時価総額も以下に書いておきます。

[時価総額]
858億円
[会社名]
角川グループホールディングス
9477(東証一部)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
57.9%
[ROE(儲かってる度)]
4.71%
[代表作]
[寸評]
角川というと、「金にガメつい」会社だと思われてますが、ROEを見てみると、この会社は儲けるのが下手な会社です。
角川よりもバンビのほうが、ずっと儲ける力は強い。
バンビはROEが20%を超えてますが、無借金経営でROE20%超えというのは滅多にありません。
まあ、角川の場合は出版事業を抱えてますんで、利益率が低く出ちゃうんでしょうけど。

[時価総額]
846億円
[会社名]
インデックス・ホールディングス
4835(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
47.0%
[ROE(儲かってる度)]
4.59%
[代表作]
[寸評]
携帯コンテンツを扱っている会社はどこも苦しいみたいです。
この会社も株価は下がり続けてます。

[時価総額]
561億円
[会社名]
東北新社
2329(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[自己資本比率(安全度)]
42.5%
[ROE(儲かってる度)]
3.47%
[代表作]
[寸評]
この会社はライフカードのCM作ってるみたいです。



日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法

2007年07月13日

株を買えるアニメ会社一覧

最初は、「アニメ会社時価総額ランキング」っていう企画を考えてたんですけど、
「株やってない人は、いきなり時価総額なんて言われても何のことだかわからんよな」
って思ったんで、その前ならしとして、今回の記事を書いてみることにしました。

そもそも、どのアニメ会社の株が買えるのかすら、よく知らない人が多いでしょうし。

そういえば、この前ネットでこんな書き込みを見かけました。

らき☆すた、みたいな、つまらないアニメを作ってると、
京アニの株価もヤバいんじゃないかな。
株のことはよく知らんけど。


らき☆すたがつまらないか、つまらなくないかの判断はここでは置いておきますが、らき☆すたの出来がたとえ、MUSASHI GUN道レベルだったとしても、京アニの株価が下がるなんてことはありません。
つーか、ありえません。

だって、京アニは上場してませんから。
上場してない会社の株が上がったり下がったりすることはないのです。


以下で、株の基本を説明しようと思いますが、かなり初心者向けなんで、ある程度の知識がある人は読まなくてもいいです。
「MSCB?それぐらい知っとるわ、ボケぇ!」って人は、下のほうの、株を買えるアニメ会社一覧まで飛ばしてください。


テレビなんかで、東証一部とかいう言葉を聞いたことがあると思います。
東証の正式名称は。東京証券取引所。
ここで日々、株の売買が行われているわけです。
東証の他にも、大証(大阪証券取引所)だとか名証(名古屋証券取引所)なんかがあります。
ちなみに、任天堂が上場してるのは大証一部。
もともと京都の会社ですから。
今でも本社は京都ですし。

東証一部とか大証一部に上場してるのは、トヨタ、ホンダ、任天堂とかの大きな会社ですが、小さな会社だったり、新しい会社なんかが上場してる、ジャスダック、マザーズ、ヘラクレスなどの新興市場と呼ばれるものがあったりします。

あのライブドアが上場してたのがマザーズ。
新興市場ですね。
ちなみに、初心者のうちは、新興市場には手を出さないほうが賢明です。
ライブドアの例でわかるように、新興市場はかなり会計基準が甘い。
はっきり言って粉飾してる会社なんて、そこらにゴロゴロいたりする。

私の会計の知識なんて、素人に毛の生えたようなものでしかないんですが、そんな程度の知識でも、財務諸表を見て、
「これって粉飾じゃないの?」
って思う会社がかなりあったりする。
それが新興市場。
実は、新興市場に上場してる、あるアニメ会社の財務諸表を見てたら、かなり怪しい数字が並んでたんで、「粉飾臭いな、これ」とか思ってたら、それからすぐに下方修正を出して、株価が大暴落したのが一つありました。
ホントに危険だから、気をつけてください。

説明が長くなっちゃいましたが、上のような東証一部だとかジャスダックとかに上場(登録してる、と考えればいいです)している会社じゃないと、我々一般人には株は買えません。
で、株を買いたい人が多ければ、株価が上がるし、株を売りたい人が多ければ株価は下がるっていう仕組みになってます。
魚市場のセリみたいな感じですね。
もっとも、魚のセリでは、値段が下がるということはないですが。

京アニこと京都アニメーションは株式会社ですが、上場していないので、株は買えません。
そして、上場してないから、株価もついてない。
同じように、ぴえろ、ボンズ、J.C.STAFFなんかも上場してないので、株は買えないし、株価もありません。

ちなみに、上場してない株(つまり未公開株)を、
「この株はそのうち上場して、高値がつくから今のうちに、こんな安い値段で売ってあげるよ」
といって、素人から金を巻き上げるのが、未公開株詐欺。
羽賀研二がやったやつです。
そんな美味しい話は、まず普通の人には回ってこないので注意しましょう。

ところで、サンライズなんですが、ここも上場してません。
しかし、親会社のバンダイ・ナムコホールディングスが上場してます。
だから、バンダイ・ナムコホールディングスの株を買うと、そのうちの何%かは、サンライズ分です。


蛇足ながら、株を上場するということは、どういうことかというのを説明しておきます。

ここに、「ジブリ」という株式会社があったとします。
(これは架空の会社名であって、実在の会社とは何の関係もありません)
株式会社ジブリの社長は宮崎駿さんです。
(これまた架空の個人名なんで気にすんな)
ジブリは上場しておらず、ジブリの株は全部、社長の宮崎駿さんが持っています。
なので、ジブリという会社は100パーセント、宮崎駿さんの所有です。
だから、宮崎駿さんは好き放題できます。
「息子にゲロ戦記を作らせるから金を出せー」
ってなことを言っても、誰も反対できないわけです。
(宮崎駿は息子が監督するのに反対したらしいけど、ま、たとえ話なんで、これまた気にすんな)

ゲロ戦記を作るのに、金がかかる。
なので、ジブリは株式を上場して、資金を調達することにしました。
新たに株式を発行して、それを投資家の人たちに買ってもらい、その資金をゲロ戦記につぎこもうとしたのです。
新たに株式を発行したので、宮崎駿さんの持分は全部の株の30パーセントまで低下しました。

株式公開のおかげでお金も集まりました。
ゲロ戦記の制作の目処もついて、宮崎駿さんもウハウハです。

ところが、ここで問題が起こりました。
株主総会を開いたところ、「ゲロ戦記なんていう下らない映画を作るのは許せねぇ。そもそも息子が監督ってわけわかんね」と株主に言われてしまったのです。
これは困った。
というのも、宮崎駿さんの持分は30パーセントで筆頭株主(もっとも株を保有してる株主)なのですが、残りの70パーセントの株主が「ゲロ戦記を作るのは止めろ」と言い出したら、多数決の原則が働くのでゲロ戦記制作はやめなければいけません。
株を上場していないときは、宮崎駿さんの独断で何でもできたのですが、上場してしまうと、他の株主の言い分も聞かなければいけなくなってしまうのです。

と、この微妙に現実とリンクしたたとえ話でもわかるように、株を上場するというのは、会社の支配権をある程度、他の人間にあけわたすということなのです。
その代わりにお金を得るわけです。
上場した後でも、増資(新たに株券を発行してお金を集めること)という形でお金を集めることができます。

株を上場するというのは、銀行からお金を借りることと似ています。
銀行からお金を借りることを間接金融、
投資家からお金を集めることを直接金融、といったりします。

銀行はお金を貸して、その見返りとして金利をもらえます。
しかし、会社の経営に口を出すことはできません。
まあ、現実には、銀行が(お金を貸している)会社の経営に口を出すなんてのはよくあることではありますが、法的には、銀行に融資先の会社の経営に参画する権利はないのです。

投資家はお金を出すかわりに、経営に口を出す権利を得ます。
その他にも配当をもらえたり、投資している会社が成長すれば、株価上昇という形でメリットを得ます。
じゃあ、投資家のほうがずっといいじゃないか、みたいに思われるかもしれませんが、もちろん良いことばかりじゃありません。
会社の業績が悪くなれば、株価は当然下がりますし、万が一、倒産してしまった場合なんかは、株券は紙切れ同然です。

銀行、または投資家の立場になって考えてみると、銀行がお金を貸すのは、ローリスク・ローリターンなのに対し、投資家が会社に投資するのは、ハイリスク・ハイリターンなわけです。

そうやって考えてみると、ライブドア事件がわかりやすくなると思います。
あの粉飾のどこが悪いのか理解できてない人も多いでしょうが、ライブドアのやった、自社株の売却益を利益につけかえるという粉飾は、銀行から1億円の金を借りておいて、「おれは1億円儲けたぞ!」と言ってるのと同じです。
そんなの詐欺師と同じことですよね。



[株を買えるアニメ会社一覧]
さて、それじゃ、上場しているアニメ会社を紹介してみようと思います。
昔、2ちゃんねるに、「アニメ関連銘柄」っていうスレッドがあったので、それを参考に作ってみました。

ただ、ここで一つ問題が。
一口にアニメ会社って言っても、どこまでをアニメ会社に含めたらいいのかが難しいんです。

たとえば、スクエニ。
スクエニは鋼の錬金術師に出資しているし、他にもいくつものアニメに出資しているはずです。
しかし、スクエニをアニメ会社といわれると、ちょっと違和感がありますよね。
いや、ちょっとどころではないですけど。
スクエニといえば、やっぱりドラクエの会社であり、ファイナルファンタジーの会社である、というのが一般的な理解のはずで、まあ、つまりはゲーム会社です。

そもそも、アニメに関連してる会社というと膨大な数になってしまう。
電通、博報堂とかの広告代理店だって、アニメ関連といえばアニメ関連ですし、エイベックスだって、いくつものアニメに関連しています。

なので、ここは、誰がどう見てもアニメ会社、と思える会社だけを集めました。
そういう理由で、バンダイ・ナムコホールディングスは省いて、バンダイビジュアルを入れています。
制作会社だったり、代理店だったり、DVD販売が主だったり、とその業種はさまざまですけど。

結構なアニオタでも、馴染みのない会社があったりしますよ。

[会社名]文字通り会社名です。その会社のHPにリンクできるようにしてます。横の数字は証券番号。Yahoo!ファイナンスのところをクリックすればYahooファイナンスに飛びます。
[四季報紹介]四季報の「特色」の欄に書かれている文章。
[最低投資金額]いくらから、その株が買えるかということ。7月13日の終値を元にしてます。
[代表作]過去のアニメの代表作。アマゾンの画像リンクを使ってます。
[放映中アニメ]現在放映してるアニメ。というか、既に放映終了してるのも含まれてたりしますが、まあ、気にすんな。最近、放映したアニメくらいの意味。
[個人的感想]私の個人的な感想。ない場合もあり。


[会社名]
東映アニメーション
4816(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
東映系のアニメ制作老舗。キャラクターの商品化等の版権収入も大きい。
[最低投資金額]
34万4千円
[代表作]
ドラゴンボール

DRAGON BALL #8


プリキュア

ふたりはプリキュア Splash☆Star 【11】


ワンピース

ONE PIECE ワンピース


デジモン

デジモン

[放映中アニメ]
ラブ☆コン、ビックリマン、プリキュア5、ゲゲゲの鬼太郎、ワンピース
[個人的感想]
老舗中の老舗って感じですかね。ドラゴンボール、ワンピースとジャンプ一番人気を押さえてるのが強み。ところで、ビックリマンが放映されてるのを初めて知りました。ビックリマンって・・・・、流行ってるの、今?

[会社名]
トムス・エンターテイメント
3585(名証2部)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
元は繊維。東京ムービー新社と合併。アニメ制作、ゲーム施設運営の2本柱。セガサミー系。
[最低投資金額]
30万4400円
[代表作]

ルパン三世

ルパン三世


名探偵コナン

名探偵コナン


アンパンマン

それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ

[放映中アニメ]
名探偵コナン、史上最強の弟子ケンイチ、風の少女エミリー他
[個人的感想]
セガサミーが大株主。日本テレビも4%超の株を持ってます。
アニメ会社の株主欄を見てると、テレビ局だったり、ゲーム会社だったり、電通とかの広告代理店だったりが並んでいて、
「あー、こういう力関係があるんだ」
なんて、無駄に面白かったりします。

[会社名]
プロダクション・アイジー
3791(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
映画・テレビ・DVD等向けアニメの制作とアニメ作品の2次利用による版権事業が収益源。
[最低投資金額]
12万円
[代表作]

攻殻機動隊

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG DVD-BOX


イノセンス

イノセンス (Blu-ray Disc)


エヴァンゲリオン劇場版
劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に


blood+
BLOOD+

[放映中アニメ]
REIDEEN、精霊の守り人
[個人的感想]
精霊の守り人は、最近面白くなってきたような気がする。
株主には電通、日本テレビなんかが並んでます。筆頭株主は石川社長だけど。
この会社は、長いこと株価が下がり続けてましたが、もう底打ったんじゃないですかね。いや、あんまり注意してないんで確かなことは言えませんが。
エヴァの劇場版はガイナックスとの共同制作になってます。
最近、マッグガーデンを株式交換で子会社化。

[会社名]
GDH
3755(マザーズ)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
アニメの企画・制作、版権など権利の取得・使用許諾が2本柱。制作段階から世界市場を視野に。
[最低投資金額]
5万6100円
[代表作]

SAMURAI7

SAMURAI7 第六巻(UMD Video)


カレイドスター

カレイドスター ぐっどだよ! ぐぅーっど!


ブレイブ ストーリー

ブレイブ ストーリー 特別版


[放映中アニメ]
ロミオ×ジュリエット、ぼくらの、瀬戸の花嫁
[個人的感想]
GDHなんていう名前だと分かりにくいかもしれませんが、要はゴンゾです。瀬戸の花嫁はなかなか面白かった。ロミジュリって最初のほうは評判良かったように記憶してるんですけど、今はどうなんですかね、評判のほうは?
ゴンゾの稼ぎ頭というと、やっぱりカレイドスターですかね。
フジテレビが7%くらいの株保有。

[会社名]
ウェッジホールディングス
2388(ヘラクレス)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
アニメ制作、雑誌企画・編集、キャラクター販売、コンテンツ開発等行う企画集団の中核。
[最低投資金額]
2万9390円
[代表作]

ラムネ

ラムネ


妖逆門

妖逆門 巻之十一


[個人的感想]
正直言って、この会社は初めて知った。扱ってるアニメもよくわからない。しかもホームページに行っても、何やってる会社なんだかよくわからないし。

[会社名]
マーベラスエンターテイメント
7844(東証2部)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
TVアニメの商品化権を利用し、音楽CDやビデオ、ゲームソフトの企画・制作を行う
[最低投資金額]
4万2350円
[代表作]

ふたりはプリキュア

ふたりはプリキュア Splash☆Star 【11】


蟲師

蟲師 其ノ壱


GUNSLINGER GIRL

GUNSLINGER GIRL DVD-BOX


[放映中アニメ]プリキュア5、School Days、
[個人的感想]蟲師は最高です。
ただ、最近、業績が悪くて株価は下がってます。
さすがにここまで下げるともう下げ止まりだとは思いますが。

[会社名]
バンダイビジュアル
4325(東証一部)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
バンダイの子会社。「ガンダム」等の映像著作物の企画・販売およびライセンス事業を行う。
[最低投資金額]
25万9000円
[代表作]

機動戦士ガンダム

機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)


機動戦士ガンダムSEED

機動戦士ガンダムSEED 13<最終巻>


COWBOY BEBOP

COWBOY BEBOP 6th.Session


攻殻機動隊

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG DVD-BOX


クレヨンしんちゃん
映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

トップをねらえ!

トップをねらえ2! & トップをねらえ! 合体劇場版BOX (初回限定生産)


[放映中アニメ]
電脳コイル、クレヨンしんちゃん、DARKER THAN BLACK 黒の契約者、アイドルマスター他
[個人的感想]
いわずとしれたバンダイビジュアル。略してバンビんて呼ばれたりもします。ここの株を買うのは、サンライズの株を買ってるようなイメージですかね。サンライズはバンナムの子会社なんで、バンビとは兄弟会社みたいなもんですけど。
そういえば、アイマスは結構面白いです。最初は絶対くだらねぇんだろうな、と思ってたんだけど。アイマスは舞-HiMEとエヴァを合わせたような感じ。
そのほかには、ボンズのアニメなんかも取り扱ってます。
エウレカセブン、黒の契約者など。
ただ、ホスト部は扱ってないみたいです。

[会社名]
ウィーヴ
2360(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
出版、テレビ(アニメ)などで企画・制作。既存キャラクター活用した版権事業に注力。
[最低投資金額]
4万8650円
[代表作]

ミュータント・ニンジャ・タートルズ

ミュータント・ニンジャ・タートルズ2


X-MEN

X-MEN リジェンド・オブ・ウルヴァリン


セサミストリート

Sesame Street - Do the Alphabet


[個人的感想]
たぶん多くの人にとって馴染みの薄い会社。アメリカのアニメを取り扱っているみたいです。
セサミストリートを取り扱ってるっていうのが、一番のポイントですかね。って、それアニメじゃねぇじゃん。

[会社名]
創通
3711(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
アニメ番組企画・制作のメディア事業とアニメの版権事業。プロ野球球団の版権契約代行も。
[最低投資金額]
27万2000円
[代表作]

機動戦士ガンダム

機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)


機動戦士ガンダムSEED

機動戦士ガンダムSEED 13<最終巻>


機動戦士ガンダム

機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)


機動戦士ガンダムSEED

機動戦士ガンダムSEED 13<最終巻>


[放映中アニメ]
ひぐらしのなく頃に解、ぼくらの、アンパンマン
[個人的感想]
代表作のところに意地悪くガンダム連発してみたんですけど、一言でいえば、ガンダムの会社です。ガンダムの版権を持っているので、ガンプラ買うと、そのうちのいくらかがこの会社に入ります。
他の作品はスクールランブル、魔方陣グルグルなど。
キャッシュリッチなことで有名で、52億円の現金持ってます。もちろん、有利子負債はなし。
最近、創通エージェンシーから、創通に改名しました。
磯野貴理子が磯野貴理に改名したようなもんです。
しかし、なんの意味があるんだろ、磯野貴理子の改名って。

どこからどう見てもアニメ会社、っていうのはこれで終わりなんですが、アニメに関連の深い会社もいくつか上げておきます。

[会社名]
角川グループホールディングス
9477(東証一部)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
出版大手の一角。書籍・雑誌・映像など傘下の持ち株会社。クロスメディア戦略に強み。
[最低投資金額]
31万7000円
[代表作]

涼宮ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱 1 通常版


ケロロ軍曹

ケロロ軍曹3rdシーズン 10


時をかける少女

時をかける少女 限定版


らき☆すた

らき☆すた 1 限定版


[放映中アニメ]
ケロロ軍曹、らき☆すた、他
[個人的感想]
京アニといちばん関係の深い上場会社を探すと、ここですかね。大量のライトノベルを抱えているのが強み。
株主欄を見ると、ここはこれといった大株主がいません。角川歴彦氏が筆頭株主なんですけど、それでも保有してるのは7%強。株価もかなり安いんで、どっかの外資に買収しかけられてもおかしくないと思う。

[会社名]
東北新社
2329(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
CM制作や外国映画の日本語版制作で首位。衛星放送のチャンネル運営、映画の制作・配給も。
[最低投資金額]
12万1000円
[代表作]

妄想代理人

妄想代理人 (3)


最終兵器彼女

最終兵器彼女(2)(UMD Video)


創聖のアクエリオン

創聖のアクエリオン Vol.2


[放映中アニメ]
REIDEEN、鉄子の旅
[個人的感想]
アニメ会社としては、あまり馴染みがない会社。最終兵器彼女しか見たことがないし。

[会社名]
インデックス・ホールディングス
4835(ジャスダック)
Yahoo!ファイナンス
[四季報紹介]
持ち株会社。携帯向け情報配信起点にシステム開発やコンテンツ事業展開。海外積極進出。
[最低投資金額]
4万4200円
[代表作]

カードキャプターさくら

カードキャプターさくら


花田少年史

花田少年史 DVD-BOX


闘牌伝説アカギ

闘牌伝説アカギ


パプリカ
パプリカ

時をかける少女

時をかける少女 通常版


[放映中アニメ]
大江戸ロケット、電脳コイル、クレイモア
[個人的感想]
自分の無知をさらすようだけど、マッドハウスがインデックスの子会社だってことを初めて知りました。いやあ、IT関係には弱いもんで。しかし、こうやって作品見てると、マッドハウスってスゲぇ。いろんなタイプのアニメを作ってるなあ。カードキャプターさくらからアカギまで、って何、その振れ幅。
それから、インデックスの会長の落合さんってのは、IT関係の経営者にしては、地味というか、派手好きじゃないことで有名ですね。
IT関係は派手な人が多いので、かえって地味なほうが目立つという。
あまり、よく知らないけど、しっかりした人なんじゃないでしょうか、多分。

[株式投資関連サイト]
これから株式投資をやってみようかと思ってる人のために役立つサイトを紹介します。

ただ、投資には、様々な手法があり、またその人にあった手法もまた様々です。
私はデイトレードとか、スイングトレードのような短期投資は一切やらないんですけど、そういう手法があった人もいるでしょうし。
ただ、300万から2億円まで稼いだ、うり坊さんという有名なデイトレーダーの方がいて、一時期マスコミでももてはやされたりしたんですが、彼はそれからトレードに失敗して、今の資産は400万程度だそうです。
短期投資はセンスが必要なんで、かなり難しいんじゃないか、と思います。
BNFさんみたいなのは天才ですから、最初から無視したほうがいいです。
長期投資のほうが楽でいいと思うんですけどね。
毎日、株価とにらめっこなんていう苦行をしなくてもいいし。


株の初心者にはこちらの本がおすすめ。
情報収集にはどこのサイトを使えばいいか、
どうやって成長株を見つけるか、
それがわかりやすく書いてます。





日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法



2007年07月11日

これからアニメーターっていらなくなったりするのかな?

PSP版「ハルヒ」にも 顔写真を“3D顔アニメ”にするソニー発の技術


この技術はスゴいなー、と思った。
リンク先に飛んでいただければわかりますが、
簡単に言うと、アニメ調の絵を3次元で動かせるソフトってこと。

そういえば、ちょっと前に出たエロゲーで、すくぅ〜るメイトっていうのがあるじゃないですか。
このエロゲーにも、同じような技術が使われてる。

リンク貼ろうかと思ったんだけど、18禁サイトなんで、止めときますが、グーグルで「イリュージョン」って検索してみてください。
そこでフラッシュが見られるんだけど、これがちゃんと動いてる。
(あ、エロシーンもちょっとだけ見られます)
アニメ絵が3次元で動いてるんだけど、それ見た限りではあまり違和感がない。

たかがエロゲーメーカーにこういうのが出来るってことは、この技術ってそんなに金がかかるもんじゃないだろう。

このすくぅ〜るメイトっていうゲームはやったことがないんだけど、この(エロ)フラッシュ見たときに、
「これからアニメーターっていらなくなるんじゃないか?」
てなことを思った。

今のところは、多少、違和感があるけれども、どうせ技術なんてのは進歩するもんだから、そのうち、(アニメとして)全く違和感のない映像が作れるようになるだろうし。

グレンラガンの4話で作画崩壊って騒がれた事件がこの前あったけれども、これなら作画が崩壊するなんてことは絶対にありえないわけだし。

アニメの原作供給源ってのは、今も昔もマンガが多い。
だから、手描きのアニメっていうのはなくならなかったわけです。
マンガを動画にしたときに、CGでは、やっぱり無理があるから。
これは、
「何故、日本の『ANIME』は世界的に競争力が強いのでしょうか?」第二話

ゴンゾの村濱さんの受け売りですけど。

ディズニーなんかが、手描きアニメを捨ててCGに走ったのとは対照的に、日本のアニメは二次元にこだわり続けた。
で、そこの部分でいちばんこだわりが強かった、京アニとかが神格化されるようなこともあったわけで。

だから、マンガのキャラを三次元で動かせるっていう技術が発達すれば、状況も変わるのかもしれないです。
マンガをアニメ化する部分での障害が取り除かれれば、何も手描きにこだわる必要もなくなるわけだし。
そのうち、キャラデザインする人と演出家と、あと背景描く人ぐらいで済むようになっちゃうんじゃないか、ってなことを思ったりした。

アニメーターに描かせるよりも、この手の技術を使ったほうが安くあがる、ってなことになったら、なだれをうったように、アニメ会社はこの手の技術を使い始めることもありえない話じゃない。
実は、上記した村濱さんのブログでも、日本のアニメが競争力が強い理由の一番目に、「制作費が安い」ことをあげてたりするので。

アニメーターという職業が絶滅しているのかどうかがわかるのは、これから10年、20年後なんでしょうけど。
だけど、アニメーターがいなくなるってのは、さびしい話だよね。うん。




2007年06月29日

バンダイビジュアルの株価かな?かな?

何気に3日連続更新って、初めてだったりするんですけど、今日は軽めに。


バンダイビジュアル Yahooファイナンス

まあ、予想通り下げました。
前日比9000円マイナス(-3.52%)の24万7000円で引けてたみたいです。
このくらいの下げ幅は予想通りって感じですかね。

株式投資をしたことのない人には分からないと思いますが、第一四半期決算ってかなり重要です。
第一四半期の業績が良い場合、中間決算などで、上方修正があったりする可能性が高いんで、第一四半期の業績が良い株を買っておけば、それだけで儲かることが多かったりします。

今回のバンダイビジュアルは、それの逆なわけで、これから下げ続ける可能性がなきにしもあらず。

以前、私は「バンダイビジュアルの株は持ってない」とか書いたことがあるんですが、実は持ってます

まあ、そんなに大した額ではないんですけど、持ってます

買値の平均がちょうど今日の終値と同じで24万7000円。
で、まだ売ってない。
いやー、これからどうしようか、迷ってたりするんですけど、優柔不断なんで、このまま持ち続けることになるかもしれないです。

なので、このままバンダイビジュアルの株価が下がり続け、樹海でC.C.のフィギュアを握り締めたまま白骨化した死体が見つかったとしたら、それ私ですんで、警察の方にそう言っといてください。


いいかげんにハーレムANIMEは絶滅してくれませんか
ふぇいばりっとでいずさん経由)

質問

『ひぐらしのなく頃に』が発売され『SHUFFLE!』も登場予定と、頭の悪いワンパターンなハーレムANIMEの波がまた押し寄せてきました。この使い古されたマンネリの分野は思うに15年前に『天地無用!』で既に行くところまで行ってしまったのだし、一体いつまで続くのですか。


私はひぐらしのゲームをやっていないし、アニメも途中までしか見てなかったりするんですけど、この質問はいくらなんでも、、、、、、ねえ?

ひぐらしは「頭の悪いワンパターンなハーレムANIME」では全然ないんですけど。
むしろ、「ワンパターンなハーレムANIME」のパターンを最初に見せておいて、それを崩すことによって恐怖を与える手法がひぐらし、じゃないのかなー。
まあ、この質問者がひぐらしを実際に見ていないことだけはわかりますけど。

ところで、前述したように、ひぐらしを途中までしか見てないので、私は犯人がぜんぜんわかりません。
最初のやつの犯人は竜宮レナなんでしょうか?
いやー、あの女は怖かったわ。

「ウソだっ!!!」(カラスがざわわーっ)

って、とことか。
他のヤツもそれなりに怖かったけど、アニメ見た限り竜宮レナが一番怖い。
あいつが犯人なんでしょ?
いや、絶対そうだと思う。
だって、あいつ頭おかしーもん。


考察:おっぱいから見たキャラ造詣

舞-HiMEキャラのおっぱいについて熱く語るようなバカは、日本広しといえども私ぐらいのもんだと思ってたんですけど、もう一人いらしたみたいです。
「日本も終わったな」という感がひしひしとする。

しかし、このやまなしなひびさんのブログはレベルが高いです。
主にゲーム関係なんですけど、優れた考察が多々あります。
どうやら、日本もまだ終わってないらしい。

ところで、先日のアニメキャラおっぱい当てクイズ
っていうバカ企画なんですけど、6問正解できた方がいたみたいです。


つまらないものですが。さん

10問中6問正解でした。まあこんなもんかな。
9番わかりましたよ。なぜか直感で。ていうか服で分かった。
あと10問目はバーサーカーって答えた。
方向性は間違ってなかったかもw

ていうか7問目を間違えたので気持ち的には超敗北感;


あんな作ってる本人ですら、3問くらいしか正解できないものを6問も正解できるとは。
草薙素子があの服を着てたのって、たしかアソコのシーンだけのはずなのに・・・・・。
やっぱ、日本はもう終わりみたいです。

*つーか、書いてる途中で日付変わっちゃって、3日連続更新じゃなくなっちゃいました。







2007年06月27日

バンダイビジュアル決算に見るコードギアスとらき☆すたOP

今日、バンダイビジュアルの第一四半期決算が出てたんで、ちょいと報告しておきます。
バンビは2月決算なので、第一四半期は、3月、4月、5月分です。

http://www.bandaivisual.co.jp/pdf/2007/pr070627.pdf(PDFファイル)

単位(百万円)()内は前年第一四半期の数字
    
売上高  5543(6366) △12.9%

営業利益 416(963) △56.7%

経常利益 481(1014) △52.5%

純利益 190(563) △66.2%


今期は下期偏重らしいんで、これくらいは予想範囲内なのかもしれませんが、見た目はちょっと悪いですね。
というか、かなり悪いと言ったほうがいいかも。
やっぱり営業利益で前年同期比50%超のマイナスとなるとね。

最近のバンビの株価は下げ止まってた感じだけど、また下げるかもしれません。

で、そうなってくると、今期のこれから投入するDVDのラインナップが気になる。
これから挽回できるのだろうか。
で、前期の期末決算を見てみたところ、こんな記述が。


平成20年2月末までに次世代ディスクの各フォーマット(HD DVD、ブルーレイディスク)で、「AKIRA」「機動警察パトレイバー 劇場版」「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」等、約30アイテムの投入を予定しており、売上高の増大を図ります。

確かに、この3つはみんな有名なアニメではあるけど、どうも・・・・・、マニア向け作品が多すぎないか、これ。
このうち、二つが押井守が監督ということもあるけど、この3つのアニメって、同じ方角を向いてる作品だからなあ。
しかも、ちょっとアマゾン見てみたら、パトレイバー劇場版の評判がすごく悪い。

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機動警察パトレイバー 劇場版 (Blu-ray Disc)冨永みーな.古川登志夫.池水通洋.二又一成.大林隆介 押井 守 押井守

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評判が悪いのも当然で、なんとこれ、ブルーレイディスクと通常のDVDの抱き合わせ販売。

いや・・・・、それって何の意味があるんですか?
中身はどっちも同じ内容なんだから、どっちか一つは消費者にとって無駄でしかないと思うんだけど。
残った一枚はフリスビーにでもして犬と戯れろとでも言うのだろうか。
犬もいい迷惑。
こんな酷い抱き合わせ商法ってのは、そうそう見られない。

どうもバンダイビジュアルの今後に少なからぬ不安を覚えてきたんですけど、まあ、それは置いといて、とりあえず、この第一四半期の内容をもう少し詳述。

この第一四半期で売り出されたDVDについて書かれた部分を抜き出してみます。


当セグメントでは、前期より好調なテレビアニメーション「コードギアス 反逆のルルーシュ」、オリジナルアニメーション「FREEDOM」などのシリーズ商品に加え、「∀ガンダム」や「機動警察パトレイバー」のメモリアルボックス商品なども売上に大きく貢献致しました。海外でのパッケージ販売につきましても、5月には「GUNBUSTER2」Demon Prince ENMA」の2タイトルを販売いたしました。

コードギアスはいいとして、私の場合、「FREEDOM」って完全に死角に入っちゃってる。
そのアニメが存在していることは認識してるんだけど、見えてないというか、見ようという気が起こらないというか。
あれだけカップヌードルのCM見てるんだから、少しは「見てみようか」という気にもなりそうなもんだけど、ならない。
不思議なことにならない。
そういえば、アニメ関係のブログを見て回っても、この「FREEDOM」の感想を書いている人を見た記憶がなかったりする。
私だけでなく、皆の死角に入ってるんでしょうか、「FREEDOM」って。
ついでに言っておくと、大友克洋がすでに降板していたのを、始めて知りました。

さて、バンダイビジュアルの子会社に「ランティス」というのがあるんですが、これはらき☆すたの「もってけ!セーラーふく」を発売してる会社。
これに関する文章もあったので抜粋。


音楽パッケージソフトとしては、ALI PROJECTの「薔薇架刑」が発売から2ヶ月で8万枚の売り上げとなり、また「らき☆すた」関連のCDも好調で、オープニングテーマの「もってけ!セーラーふく」はオリコンチャート2位(2007年6月4日週間ランキング)となり、12万枚を超える売り上げとなりました。

だそうです。
12万枚か。
最近のCDってどれくらい売れればヒットなんだかよく分からないから、12万枚っていう数字がピンとこなかったりするんですけど。

そういえば、先日、すき家で知人と会食を楽しんでいる最中に、この「もってけ!セーラーふく」が店内でかかりまして、

「あ、この曲を知ってるのは、この店の中でオレだけだ」

と思ったら、悲しいような嬉しいような、複雑な気分になりました。
余談ながら報告。

さて、コードギアス、もってけ!セーラーふく等のヒット商品があったにもかかわらず、前年の第一四半期と比べるとかなり悪いわけですが、それじゃ、前年の第一四半期って、どんなタイトルを発売してたのかが気になる。
ということで、前年の第一四半期の決算短信も読んでみた。


http://www.bandaivisual.co.jp/pdf/2006/pr060627-1.pdf(PDFファイル)


パッケージソフト事業では、北野武監督の「TAKESHI'S」、前期の大ヒット作、「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」の総集編「機動戦士ガンダム SEED DESTINY スペシャルエディション」等の作品が牽引しました。

「TAKESHI'S」が売り上げに貢献したとはとても思えないので、結局、SEED DESTINYの売り上げってことか。
SEED DESTINYか。
SEED DESTINYか。
SEED DESTINYごときが、か。

まあ、暴論を吐いちゃえば、


「コードギアス+もってけ!せーらーふく」は「SEED DESTINY」に負けた!

と、こういうことですよ。
まあ、暴論すぎますけど。
コードギアスはまだ終わってないしね。
しかし、もう一回。


「コードギアス+もってけ!せーらーふく」は「SEED DESTINY」に負けた!

ということで、バンダイビジュアルの第一四半期の業績はあまり良くなかったんですが、個人的な予想でいえば、これからの業績は、コードギアスと電脳コイルにかかっているような気がします。


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[関連記事]
コードギアス 反逆のルルーシュ「ピクチャードラマ#6」
コーネリアの水着がスゴすぎます。

2007年06月09日

新作ガンダム発表でも創通の株価はピクリともしない

新作ガンダムの発表があってから一週間くらいたったわけですが、
どうも世間では不満と不安の声が満ち満ちているようです。


キャラデザが腐女子むけ、だとか、
ガンダムが独楽を背負ってる、だとか、
戦争防止のために武力攻撃ってアホか、だとか。
その他もろもろ。



「ガンダムによる全戦争行為への武力介入を開始する」

「戦争根絶を目指す私設武装組織」


このキャッチコピー見てフルメタル・パニックを想起したのって私だけ?


今度のガンダムはフルメタみたいな、どたばたラブコメ要素満載かぁ。
って、んなわけないか。


こんな子供じみた設定で、欝展開するのを毎週見なきゃいけないのだとしたら、それは、ちと辛い。
確かに、いろいろ文句が出るのも分かる気がする。
フルメタル・パニックみたいなラブコメだったら、これでもいいんだけど。
まあ、文句言いながらも見ますけど。
苦行のつもりで見ますけど。



で、ここでちょっと視点を変えて株の話。


「ガンダム」と聞いて思い起こされる株というと、


4325 バンダイビジュアル

3711 創通


の二つなんだけど、新作ガンダム発表後の、二社の株価推移はこうなってる。


4325 バンダイビジュアル

6月1日 26万5千円(発表前)

6月8日 26万6千円(発表後1週間)


3711 創通

6月1日 25万3千円(発表前)

6月8日 25万3千円(発表後1週間)


まあ、要するに株価はぴくりとも動いていない。
両社とも、株価はそれなりの安値水準にあるんで、何かのきっかけで上がってもおかしくはないと思うんだけど、「ガンダム00」はきっかけにはならなかったみたい。


特に創通っていうのは、「割安株」としてはかなり有名で、そのうえ業績もよく(上方修正だした)、今年は巨人もセリーグ首位(もともと創通は巨人グッズの販売代理店)だというのに、株価は上がらん。


ここまで不感症な株というのも珍しいんじゃないか。
(もっともライブドアショック後、新興市場はどこもそんな感じではあるけど)
その理由を考えるに、創通が「ガンダムだけの会社」と思われているのが原因ではないか、という感じがする。
ガンダムの版権を持っているので、安定した収益はあげられるけど、それ以上のプラスアルファ、成長要素がない、みたいに。


ちなみに、創通がプロデュースしているアニメで現在放映中のものは以下のとおり(長期放映のアンパンマンは除く)。


ぼくらの


オーバードライブ


英国恋物語エマ第二幕


瀬戸の花嫁



これらのアニメ名を見てどう思うかは人それぞれだろうけど、とりあえず私は「ちょっと地味」だと思った。
萌え系の「瀬戸の花嫁」は、同じく萌え系である、らきすた、アイドルマスター、なのはに比べて、明らかに盛り上がってないし、「ぼくらの」は存在自体が地味だったりするし。
他の二作品については、そもそもどんなアニメなのかすら知らないし。


一見、地味に見えるけれども、実は、ちょっと前の創通プロデュースアニメなんかは、


スーパーロボット大戦


RED GARDEN


という地味を通り越して、「興味すら持てない」域にまで達していたので、これでも幾分はマシだったりする。



それから、気づいた人も多いだろうけど、このなかにゴンゾ制作のアニメが二つもある。
瀬戸の花嫁とぼくらの。
創通はどうもゴンゾと関係が深いらしく、創通の過去のアニメ作品でも、
ガラスの艦隊、RED GARDENなんかは、ゴンゾ制作。
ここらへんも株価が上がらない原因だろうか。
ゴンゾ(GDH)の株価は最高値が60万強くらいで、現在の株価は5万円くらいですからねえ。
全盛期の佐々木のフォークより落差がすごい。


あまり、創通プロデュースのアニメを見たことがないのだけれど、その狭い知見のなかで判断すると、創通のアニメはどうも安っぽい感じがするのが多い(除ガンダム)。
たとえば、ひぐらしなんかはすごく安っぽかった。
今期だと、瀬戸の花嫁はひぐらしほどではないけど、安っぽい感じがするかなあ。
(もっとも、瀬戸の花嫁は結構面白く見てるんだけども。
個人的には、ハヤテよりも、こっちのほうが面白いと思う)


どうもここらへんが、創通を好きになれないところ。
「制作費を安くあげようとしてやがるな」みたいなのが透けて見えてちょっと欝になる。
無借金経営で現金同等物が50億円以上。
しかも、なにもしなくてもガンダム関係の版権で金が入ってくる、という恵まれた立場にあるんだから、もう少しアニメに金をかけてもいいんじゃなかろうか。
多少の無理をしても、この会社が倒産することなんてありえないわけだし。
もっとも、株主の立場からすれば、「無駄金」を使わなくて済む分、今の低予算アニメを作り続けてくれたほうがいいのかもしれないけど。


[参考サイト]

「ガンダムOO」の水島精二監督と黒田洋介さん


その名は「機動戦士ガンダム00」!











2007年06月04日

日本のアニメが永遠に繁栄するためには

この前、アニメの制作費について調べていたときに、

「そういえば、この前、こんなこと考えてたっけ」

ということを、ふと思い出したので、それを書いておきます。


今、世界の各地で日本のアニメは人気がある。
テレビなんかでも、日本のオタク文化がこれだけ海外に浸透している、みたいな特集がよくあったりするし。
それが、大人気なのか、中人気なのか、それとも小人気なのかは、それぞれの国、地域によって差があるでしょうが、とりあえず、一定の人気があることだけは間違いない。
しかし、人気とは裏腹に、日本アニメが海外で稼げているとはとても言えない状況なのも事実。


たとえば、北米でのアニメの売り上げは、2003年をピークに減少しています。

北米におけるコンテンツ市場の実態

もっとも、これはポケモン人気が収束したのが一番の原因であって、このジェトロの資料を読むと、アメリカで発売されるDVDに占める日本製アニメは、他の外国語作品の総数より多い、らしいので、そう悲観する状況ではないかもしれません。
ただ、日本アニメファンが増えているのに、稼げていないのもまた事実。


今って結構、アニメにとって大事な時期なんじゃないか、と思う。
ここでは「表現の質がどうこう」という芸術論的な話ではなくて、もっと即物的な話をします。
ここからは「マンガ」「日本のロック」「ハリウッド映画」の順で話を進めます。
この並びを見ると何のこっちゃわけがわからんでしょうが、人にはそれぞれ固有の思考回路みたいなもんがあるもんで、私の場合、こういう形で話を進めたほうがやりやすいってことで。



「マンガ」

英語で!アニメ・マンガ

今、アメリカではナルト、フルーツバスケットが人気があるみたいです。
フルーツバスケットは累計200万部か。
すごい売れてるなあ。



で、今現在、日本のマンガがかなり人気があることは事実みたいなんですが、このアメリカでのマンガの人気がそのうち、韓国マンガ、台湾マンガ、もしくはアメリカ人の描いたマンガ、に取って代わられることっていうのは、ありうる話です。


韓国マンガ、日本のパクリはいつまで

これを読むと、たとえば韓国のマンガ事情ってのは、まだそれほど大したもんじゃないみたいだし、アメリカの「マンガ家」というのもまだ出始めたばかりのようなので、すぐにこうした転覆が起こりうるようにはとても思えませんが、まあ可能性としては充分にある。


「マンガ」という表現は、日本固有の文化に根ざしたものであって、そうそう他国の人間がコピーできるもんじゃない、って言う人もいるかもしれない。


たしかに、「マンガ」が日本文化のなかで育まれた表現であることに間違いはありません。
誰が言っていたのかは忘れましたが、日本人が漢字という表意文字を使っていることと、マンガの記号的表現の相関性と指摘していた人がいました。
それから他の言語と比べて日本語には、擬態語がとても多いらしいですが、これなんかは、マンガのオノマトペを使うのに、とても有利かもしれません。
こうした指摘自体が正しいかどうかは別として、マンガという表現が日本文化と密接に関連していることに間違いはなく、それゆえ、日本人以外の人間が「マンガ」という表現を使いこなすのは確かに困難があるかもしれない。
しかし、こうした他文化から生まれた芸術表現を自分の表現手段とすることは、日本人マンガ家と比べて不利であるという、マイナスの意味しか持たないのでしょうか?



「日本のロック」

こうした文脈で、いきなり、ロックなんていう言葉が出てくると、手塚治虫のマンガ「ロック」のことかと誤解されるかもしれませんが、そうじゃなくてロックンロールのロックです。
音楽のロックってことです。


今じゃ考えられないことかもしれませんが、ロックという音楽が日本に輸入されたとき、「ロックを日本語でやるのは許されるのか」という議論がありました。
日本語のロックが当たり前のものになっている現在では、そうした議論があったこと自体が奇異に映るかもしれませんが、実は「日本語」というのは、ロックをやるのにはとても不向きな言語です。


私は言語学にはまったく無知なのであまり詳しい議論はできないんですが、日本語の音韻的な特徴として「母音重視である」ということがあげられます。


たとえば、英語の「good morning」を日本語風に発音すると、「グッド・モーニング」になる。
英語の発音だと、母音は「good」のuと「morning」のoとiの3つです(発音記号の出し方がわからなかったので、これで勘弁してください)。
ところが、日本語風の発音だと、それに加えて「グッド」の「ド」部分の母音、「モーニング」の「グ」部分の母音の二つが加わるので、母音が5つになってしまう。
つまり、ほとんどの音に母音がついてくるので、発音が明瞭に聞き取れやすい。
また別な言い方をすれば堅苦しい音になってしまうわけです。
こういう母音重視の言語というのは、かなり珍しいらしく、日本語以外ではポリネシア語圏にだけ見られる特徴らしいです。


こうした音韻的特徴を持つ日本語というものは、ロックのリズムに乗りにくい。
一つ一つの音がかっちりしているので、ロックのリズムにはなかなか合わないわけです。


こうした困難を解決するための一つの方法として考え出されたのが、「日本語を日本語風に発音しない」という方法です。
たとえば、英語風に発音してみたりだとか、普通の日本語とは違う区切り方で歌ってみる、とか。
こうしたやりかたをした有名なバンドというと、サザン・オールスターズなんかがあげられるでしょうか。
桑田の歌いかたというのは、かなり独特なもんで、日本語の歌を自然に歌おうとすれば、ああいう歌いかたには絶対になりません。
あの独特な歌唱法というのも、日本語ロックをやるうえでの必然から出てきたものでしょう。


それから、コードギアスの二番目のOPのジン。
このうえなく不評だったアレです。
私には、あの歌の日本語が全く聞き取れなかった。
あれは曲名が「解読不能」だから、「歌詞も解読不能にしてみました」という意図でああいう変な歌いかたをしているのではなく、上記した日本語ロックというものの困難さからああしているのです。
まあ、その結果として生まれたものがいいものかどうかという判断はとりあえず置いておきますが。
(それにしても、あの歌の最後で「強姦だ!」と言っているように聞こえるんですけど、実際は何て言ってるんですかね。まさか、「強姦だ!」なんていう歌詞があるとも思えないし)


これらは、ロックという(他文化の)表現法に、自文化のほうを変形させた例ですが、これとは別な形で日本語ロックをやろうとした例もある。


つまり、日本語のほうにロックという音楽を合わせていくという手法です。
言ってみれば、歌謡曲よりにロックをやる、という手法です。


昔、イエローモンキーというバンドがありましたが、彼らの音楽はとても歌謡曲的です。
イエモンとほぼ同時期に活躍していたバンド、シャ乱Qなんかは、もっと下世話に歌謡曲的でした。
こうした「歌謡曲ロック」をやっていたバンドと、ジンを比べてみると、歌謡曲ロックのほうがはるかに、歌詞が聞き取りやすい。
日本語の発音を崩すようなところがあまりなく、かなり素直に日本語の歌を歌っているという印象がある。
これは、先の例とは逆で、日本語のほうに音楽(ロック)をあわせているから、そうなっているわけです。


ロックという外来文化を受け入れるにあたって、

「外来文化に合わせて自文化を変化させる」

「外来文化を自文化に変化させる」

という、二つの手法がここで見て取れます。


この二つの手法のどちらが優れているか、という話はここではしませんが、外来文化を受け入れるのにあたって、様々な苦労がここにはあり、またその苦労を見ているのはかなり面白い。
特に、歌謡曲ロックなんですが、もし、「オリジナルとは異なっていること」をオリジナリティーと呼ぶのだとすれば、はからずも歌謡曲ロックというものはオリジナリティーを獲得してしまっている。
これは、日本語というものが、「ロックをやるのに適した言語ではない」という、普通に考えれば障害としか思えないものが原因がそういう結果を生んでいるわけです。



「ハリウッド映画」


世界の映画界のなかで、ハリウッド(アメリカ映画)というのは支配的な地位を保っています。
最近は面白いハリウッド映画が少ない、とか言われながらも、いまだにハリウッド映画は特権的な地位を占めている。
世界中の映画館では、今日もハリウッド映画が上映されているし、これからもまた上映され続けることでしょう。


このハリウッド映画の支配的地位というのが、いつから始まったのかはよくわかりませんが、軽く半世紀以上はこうした地位を保っているのは間違いない。
なにしろ「風とともに去りぬ」は1937年です。
なんとこれは、太平洋戦争が始まる前!


では、どうしてハリウッド映画というのは、こんなに長きにわたって世界中で見られてきたのでしょうか?
映画というものは世界中で作られていて、何もハリウッドだけの専売特許ではない。
世界の各地で、さまざまな人種の、才能あふれる人々が映画を撮っている。
日本でも、香港映画ブームがおきたり、あるときはインド映画ブーム、またあるときは韓流ブームなど、一時的に特定の国の映画が流行ることがある。
しかし、結局のところ、ハリウッド映画の根強い人気というものは揺らぎません。
どうして、ハリウッドだけが、映画のなかで別格の地位を築いているのでしょうか?


ハリウッドには、才能豊かな人材が集まるから?
確かにそれもあります。
しかし、それよりももっと根本的で単純な理由があると私は思います。
なぜハリウッド映画が人気があるのかと言えば、それは「金」という直截的な理由によるものだと思うのです。


ハリウッド映画というのは、ご存知の通り、最初から「世界中で売ること」を目的として作られています。
そして実際に世界中で売れる。
投資資金を世界中で回収する仕組みがすでに出来上がっている状態なわけです。
だから、最初から巨額の予算を組んで映画作りができる。
最近だとCGを多用したド派手な映画がそうでしょうし、昔だったらベン・ハーみたいなスペクタクル映画なんかがそうです。


こういう「巨額の予算をかけたことによるスケール感」というのは、他の国の映画ではなかなか真似できることではありません。
日本映画にしろ、他の国の映画にしろ、国内市場という狭いマーケットで売ることを前提にしている映画では、そうそう予算をかけることなんてできはしないですし。
結果、こういう「大作映画」というのは、ハリウッドが独占してしまう。


もちろん、金をかけた映画が面白く、金をかけていない映画がつまらない、というわけではない。
実際、私にはハリウッド映画のほとんどが退屈です。
しかし、金をかけた映画というものに、「金をかけた映画にしかない面白さ」があるのもまた事実です。
もし「ロード・オブ・ザ・リング」が製作費1000万円で作られていたら、あの映画は全く面白くなかったに決まってる。


低予算で作られた映画にも面白い映画はあるでしょうし、またハリウッドの大作映画が大嫌いだという映画通もいるでしょうが、そうしたこととは別に(金をかけた)大作映画というものが人々に求められているのも確かなことです。


つまり、ハリウッド映画の強みというのは、「金」の力によるところが大きい。
「金」を世界中から回収する仕組みを作り上げてしまっているから、一つの映画に大金をかけられるし、またそのことが、ある種の「参入障壁」のような効果をもたらしています。


今、「参入障壁」という言葉を使いましたが、永続的に繁栄する企業というのは、なにかしらの参入障壁を持っていることが多いです。
たとえば、マイクロソフトのように、OSで独占的な地位を占めていることも参入障壁の一つですし、コカ・コーラのように長きに渡って愛される日用商品を保有していることもそうです。
参入障壁を持っている企業は独占的に儲けることができる。


そうした参入障壁の一つとしてスケールメリットというのがある。
スケールメリットというのは、簡単に言えば「大きな会社ほど有利になる」ってことです。


産業の種類によって、スケールメリットが働くものと、働かないものがあるのですが、前者の例としてあげられるのが、自動車産業です。
トヨタの一年の研究開発費がたしか8000億円くらい。
こんなの弱小企業がどうしたって太刀打ちできる相手じゃない。
たとえば、ここに超絶的な天才エンジニアがいたとしても、一代で自動車会社を興すなんてのは不可能な話です。
つまり、ある程度の規模がなければ、自動車会社というのは成り立たないので、それ自体が新規参入を阻む参入障壁になっているわけです。


それとは逆に、だれでも容易に参入できるジャンルがあって、たとえば外食産業なんかが例としてあげられます。
脱サラしてラーメン屋を始めるなんてのがありふれた話であることからもわかるように、外食産業の参入障壁はとても低い。
店を構えるにしても、個人が借金すればどうにかなるような額ですし、その金もないのなら屋台でも引けばいいのだから、外食産業は誰でも参入できるジャンルだと言えます。
とにかく味さえ良ければ、客は来てくれるし、経営も成り立つ。


まあ、実のところ外食産業でもスケールメリットは働きます。
すき家で有名なゼンショーという会社は、最近、企業買収を繰り返しているのですが、これは食材の一括仕入れによって仕入れ値を下げる意図があります。
ですが、すき家のようなチェーン店に個人経営の食べ物家が対抗していくのは充分に可能なわけです。
簡単に言えば、すき家よりも美味いものを作ればいいのだから、そんなに難しいことじゃない(すき家さん失敬)。


今、自動車産業と外食産業の例を出しましたが、それでは映画というのはどっちに近いのか?
これは、両方に近いと思います。


低予算で作られた映画でも面白いものはたくさんあるし、アイデア一つでヒットを狙えるという点では、外食産業に似ている。
しかし、ハリウッドのような大作映画は、他の国の映画界ではなかなか作れないので、この点は自動車産業に似ている。


とりあえず、ハリウッド的な大作映画という分野では、参入障壁が働いているように思えます。


映画通のあいだなどで、アメリカ以外の国の映画監督の人気が出ることはよくありますが、それが決してハリウッド映画の地位を脅かすものにはならないのは、こうした「金」の事情によるものではないでしょうか。




「話は戻ってマンガ、そしてアニメ」


書いてる本人がすっかり忘れかけてたんですけど、最初に何の話をしていたのかというと、海外におけるアニメ、マンガの話をしていたのでした。


で、最初にマンガの話。
海外における(日本の)マンガがこれからも永続的に売れ続ける保証はなく、他国のマンガに取って代わられる可能性があると私が思っているのは、上記の二つの理由(日本のロックとハリウッド映画のところ)によるものです。


まず、マンガという「外来文化」を、他の国の人間が表現手段として選ぶのは、決して不利な面だけではない、ということ。
かえって、そうした外来文化を取り込む過程で、オリジナリティーのある表現が生まれてくる可能性すらある。
(日本のロックは一部の例外を除いては、本場である英米で売れていないので、例が適切ではないと思われるかもしれませんが、それなら、ローリングストーンズの例を出してもいいです。
彼らはアメリカ南部の黒人ブルースが熱狂的に好きだった連中なのですが、その異文化であるブルースを取り入れた彼らの音楽は明らかにブルースとは異なっています)


二つ目の理由としては、マンガという表現が元手のかからないものであるということ。
なにしろ、マンガなんて紙とペンすらあれば、誰でも描けるもんなので、お金がなくても大丈夫。
参入障壁なんてまったくありません。
才能さえあれば、だれでもマンガ家になれる。
もっとも、その国のマンガの出版状況が足かせになる可能性はありますが。


この二つが、マンガが海外で売れ続ける保証がない、と私が考える理由です。


最近のアメリカでは、マンガ関係に明るいニュースが多く(ナルト、フルバが売れている、とか)、アニメ関係に暗いニュースが多いみたいなんですが、次はアニメの話です。


先に結論から言ってしまうと、私は「海外でマンガが売れるよりも、海外でアニメが売れることのほうが、ずっと重要である」と思ってます。


マンガの参入障壁が著しく低い、ということを書きましたが、それではアニメはどうでしょう。
アニメには、マンガと違って元手がかかります。
要するに作るのに金がかかる、って話です。
最近、アニメの制作費について書いたんですけど、一話あたり最低でも500万円はかかる。
まあ、30分の番組が500万円でできるのだから、はっきり言って安いって言えば安い。


深夜の低予算アニメに慣らされているせいで、「アニメは低予算でも面白いものができる」と思っちゃったりしますが、低予算では絶対に成立しないようなアニメも確実にある。
たとえば、攻殻機動隊。
攻殻機動隊のテレビアニメは、一話辺り3000万円という、他のアニメからすればかなりの予算をかけて作られています。
もし、攻殻機動隊が一本600万円とかの低予算で作られていたら、面白いでしょうか?
まあ、それはそれで面白いかもしれませんが、やっぱりあれは、ちゃんと金をかけて作らないと成り立たないアニメだと思います。


低予算でもそれなりに面白いものはできるけど、金をかけたものには金をかけたものなりの面白さがある、という点では映画と同じです。
それを考えるとアニメの場合、「金」がとても重要なわけです。


マンガの場合、海外でどれだけ売れてもフィードバックがあまりありません。
そりゃ出版社やマンガ家は儲かるでしょうが、その儲けた金が新しいものを生み出すということがあまりない。
マンガという表現が元手(金)を必要としないのだから、それは当然の話です。


ところが、アニメの場合は違う。
もし、同じスタッフ、同じシナリオでアニメを作った場合、予算の多寡は確実にそのアニメの出来不出来に響いてきます。
金をかけたほうが良いものができる。


それを考えると、アニメが「海外で売れる」ということは正のフィードバックをもたらすと思うのです。
それに加えてもう一つの作用が生まれる。
先に触れた参入障壁のことです。


ハリウッド映画が長きにわたって繁栄しつづけているのを見ると、一度、そうした金を儲ける仕組みが出来てしまえば、かなりの長期間にわたって、日本アニメは独占的な地位を保つことができるのではないか、と思います。
攻殻機動隊が良い例ですが、あれは最初から海外のマニアを購買層として想定しているみたいです。
売ろうとしているマーケットが大きいために、最初から大きな予算を組んでアニメを作ることができる。
これなんかは金の仕組みが、良いアニメを生むことの好例ではないでしょうか。
(念のため言っておきますが、金さえかければ良いアニメができると言っているわけではないです)
そして、攻殻のようなアニメを作るのには、かなりの金が必要となるため、他の国(アメリカ以外)ではなかなか真似ができない。


最初から大きな予算を組むことができる、という状態が参入障壁の役割を果たすようになるのではないか、と思います。
つまり、日本のアニメもハリウッド映画のように半永久的に栄える可能性があるわけです。
まあ、現実はそうなっていないわけですが。


で、肝心の「どうやったら海外で金を稼げるようになるのか」ということなんですが、それはわかりません。
まあ、そんなことが簡単にわかったら、アニメ会社の人たちも苦労してないでしょうし。
私なんぞに解決できる問題じゃないですし、それ。


ただ一度、金の循環ができてしまえば、それがかなり長期にわたって続くのは事実だと思いますけど。


*なんか、とらぬ狸の皮算用みたいな話になっちゃいましたが、こんなことを最近考えていたもんで。
他にも書こうと思っていたことが、二、三あるんですけど、それは今度書きます。
書かないかもしれんけど。


[参考サイト、書籍]

日本人の脳―脳の働きと東西の文化

この人の唱えている学説はめちゃくちゃ面白いです。
簡単に言っちゃうと、日本語を母語として育った人は、他の言語で育った人と脳の構造が異なってしまう、ということなんだけど。
日本語で育った人間は、虫の声なども左脳で処理するようになる。
つまり、「意味のある音」として捉えるようになる。
しかし、他の言語で育った人は、虫の声などは右脳で処理してしまうため、雑音にしか聞こえない。
そういえば、ハリウッド映画を見ていても、虫の声というのはあまり聞かないような気がする。
あまりにも面白いんで、どれだけ信憑性のある学説なんだか疑っちゃいますけど。

日本語ロックの生き証人


タグ:アニメ

2007年05月23日

プロダクションI.Gと創通のIRから返事がきた

前回の記事で、バンダイビジュアル以外にも、プロダクションI.Gと創通にも、同様のメールを出したことを、ちょろっと書いていたんですけど、返事がきたんでちょっと紹介してみます。


もっとも、バンビに断られたので、「どうせダメなんだろうな」と思っていたら案の定ダメでしたけど。
両者の返事ってのがほとんど同じ内容だったので、I.Gのほうだけ紹介。


I.Gに聞きたかったのは、「精霊の守り人」について。
このアニメは見た目だけで、明らかに他のアニメとは金のかかりかたが違うように思えたので、どれくらいかかっているんだか知りたかったんだけれども、教えてくれなかった。残念。

これがI.Gからのメール。


アニメーションの制作費に関しましては、劇場作品など一部におきまして
 「制作費何億」と発表されることはございます。
 ただし、TVアニメーションの場合、その制作費を公表することは少なく
 また、制作費を出資しております製作委員会各社も制作費を公表することを
 希望しないため、通常「守秘義務契約」において制作費の公表は禁じられて
 いる場合が通常でございます。

 上記作品もこれらの事情により制作費を公表することはできない状態でござい
 ます。
 事情御推察の上、御理解賜りますようよろしくおねがい申し上げます。

御支援まことにありがとうございます。
株主の皆様におかれましては、今後も御支援賜りますようお願い申し上げます。



なるほど、製作委員会からの守秘義務っていうのがあるらしいです。
それじゃ仕方がないか。
バンダイビジュアルのIRはそんなことすら教えてもくれずに、「お答えできません」だったからなー。
創通のIRも「守秘義務」があることに言及していたので、余計にバンビのIRの態度がそっけなく感じる。


と、ここでちょっと気になることがあった。
というのも、私は以前、こんな記事を読んだことがあったのである。


人気アニメシリーズ『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』の最新作『Solid State Society』が、10月23日に六本木ヒルズの大スクリーンに登場した。


 3億6000万円というのは『SSS』の制作費である。通常のOVAは制作費が1億円以下、映画でも数億円で制作されるなかで、破格の制作予算となっている。通常であれば採算を取るには苦しいハードルだが、なんとしてもハードルを越えたいということである。
 それと同時に制作費を強調するのは、『SSS』は他の作品とはクオリティが違うという含みも多分にあったように感じた。

また、神山監督と石川社長によれば、今回の作品の実現は1話3000万円かかったテレビ版『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』の制作費が回収出来たら映画を作ってもよいという約束の結果だという。実際には映画にはならなかったが、これが劇場クオリティの作品が登場した理由である。




あのー、プロダクションIGさん・・・・。
あんたんとこの社長と看板監督が、思いっきり攻殻の制作費をバラしてるんだけども、これっていいの?
「SSS」はテレビアニメシリーズじゃないから、別にかまわないのかもしれないけど、テレビアニメのほうは、攻殻機動隊製作委員会ってのがちゃんと作られてるみたいなんだけども・・・・。
これは守秘義務にひっかからないんですか?


そこらへんが激しく疑問なんだけれども、まあとにかく「守秘義務」というものがあるらしいので、アニメ会社に「制作費を教えてくれ」と頼んでも、教えてもらえないことだけは、これでわかりました。


プロダクションIGは、小さい会社のわりには(失礼)、IR資料とかが充実しているみたいなんで、今度紹介してみます。
結構、面白い資料があったりするんで。


それから、プロダクションIGからのメール返信の差出人が、「プロダクションIG」とかの会社名じゃなくて、IR担当の方の個人名で来てたんだけれども、これが結構不思議。
バンビの場合は「バンダイビジュアル(株)企業広報担当より」ってなってたから。
見知らぬ個人名があったから、詐欺メールかなにかかと思っちゃいました。


ついでに言うと創通からの返信の差出人は「SOTSU」でした。
アルファベット表記って・・・・。
なんか、余計なところで格好つけているような気がしないでもない。


あ、創通ってどんな会社か知らない人も案外いるかもしれないので、一応説明しておくと、創通というのは、ガンダムの版権を持っていることで有名な会社です。
ガンダムで有名というか、ガンダムでしか有名じゃない、と言ったほうがいいかもしれないけど。
たしか、おもちゃ関係の版権を持っていたはずだから、ガンプラを買うごとに、創通にいくばくかの金が入る仕組み。


最近のプロデュース作品で言うと、「スクールランブル」と「ひぐらし」とかが有名どころですかね。


*なんとなくだけども、プロダクションIGのIR担当は、人が良さそうな感じがしました。
あんな短い文面で何がわかる、とか言われそうですが、まあそんな感じがしたもんで。

kabuka.jpg

プロダクションIGの株価がこんな感じなので、きっと、

「株価対策はどうなってんだ、コルァ」

とか

「今すぐ株価を上げろや、コルァ」

とか、そんな電話、メールばっか来てるんでしょうけど、めげずに頑張ってください。
応援してます。
株は買いませんけど。



[面白かった記事]
リリカルなのはが大変なことになっている


なのは見てなかったんですけど、なんか俄然興味がわいてきた。
こりゃ面白そう。



タグ:アニメ

2007年05月22日

アニメの制作費ってどれくらい?

アニメの製作費ってどれくらいかかっているものなのか?っていうのが気になったのでちょっと調べてみた。


たとえば、コードギアスってどれくらいの製作費がかかっているもんなんだろう?
結構、気になる。
しかし、どうやって調べればいいのかがわからん。
グーグルで、「コードギアス 製作費」って打ち込んでも、ちゃんとした情報が出てこないし。


それで思いついたのが、「直接、会社に聞けばいいじゃん」ってこと。


株式を上場している会社には、IRというものがある。
IRっていうのは、えっと、何の略だったかな?


ちょっと思い出せなかった(正確には知らないだけ)ので、野村證券の用語辞典を調べてみるとこうある。


IR(Investors Relations)

投資家向け広報[とうしかむけこうほう]

ディスクロージャー

広く投資家に対し、企業活動全般の理解を深めてもらうことを目的とした活動のことをいう。



つまり、株を買おうとしている投資家や、既に株を持っている投資家なんかが、その会社の決算だったり事業内容についてよくわからないことがあったとする。
そうしたときに、その会社のIR係の人に電話をして聞いてみるなり、メールを出して疑問をぶつけてみたりする。
すると、IR担当の人が答えてくれて、投資家も疑問が氷解。
で、株を買うかどうかの判断に役立てる、ということなのである。


ということで、この制度を悪用、、、、じゃなかった、活用して、アニメの製作費について聞いてみようと思った。


で、メールしてみたのが、バンダイビジュアルのIR。
私はバンビの株を持っているわけでもなく、また買う予定もないんだけど、まあ、いつか買う気にならんとも限らないので、そこらへんはまったく問題はない。


で、こんなメールを出してみた。


お仕事でお忙しいところ、大変申し訳ありませんが、質問したいことがあります。
アニメの製作費というものは、一話あたりどれくらいかかるものなのでしょうか?
私が知りたいのは、


ガンダムSeed

舞ーHIME

ゼーガペイン

コードギアス

アイドルマスター(←あまり興味ないんだけど、あえて入れてみた)


これらのアニメについてです。
お時間をとらせてしまい大変もうしわけないんですが、よろしくお願いします。




で、数日後メールが返ってきた。
そういえば、以前別のアニメ会社のIRにメールを出したときも、二、三日かかったっけ。
そのメールがこれ。


バンダイビジュアル(株)企業広報担当より

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
日頃は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。

この度は、当社へお問い合わせをいただきありがとうございました。

大変遅くなりましたが、製作費についてのご質問にご回答申し上げます。
アニメーションの製作費は、各作品ごとに異なりますが、
テレビアニメーションの場合、通常1話(30分)あたり、
1千万〜2千万円程度の製作費が必要となります。
なお、各作品の個別の製作費につきましては,
お答えしておりませんのでご容赦いただけますよう、お願い申し上げます。

以上、簡単ではございますが、お返事とさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
敬具





思いっきり、断られた・・・・



「以上、簡単ではございますが、お返事とさせていただきます。」って本当に簡単すぎるよ。
「拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
日頃は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。」
この部分はコピペでちゃっとやったところだろうし、アニメの制作費の平均が1000万円から2000万円だくらいのことは、さすがにもう知ってたし。


どうして答えてくれないんだろう。
各アニメにどれくらい製作費がかかってるか、なんてことはそう大した企業秘密とは思えないんですけど・・・・。


バンダイビジュアルのほかにも、プロダクションI.Gと創通にも同様のメール送っておいたんですけど(まだ返事はこない)、このぶんだと、答えてくれなさそうだなー。
あーあ、「精霊の守り人」と「ひぐらしのなく頃に」の製作費知りたかったんだけども。
もっとも、この二つのアニメの製作費に対する関心って、真逆ではあるんだけど。
精霊のほうは「どれくらい高いのかなー?」っていう関心で、
ひぐらしのほうは「どれくらい安いのかなー?」っていう関心だから。


ということで、コードギアスの製作費がいくらかは、分かりませんでした。
ごめんなさい。


これだけじゃ、申し訳ないので、アニメの製作費について、色々と調べてみた。


まず最初に、私は「製作費」っていう言葉を使ってたんだけど、「製作費」と「制作費」は違うと言っている人がいた。
なんでも「製作費」というのは宣伝などにかかった費用も含んだ額で、「制作費」が実際のアニメを作るのにかかった額らしい。
だけど、私がバンビに出したメールでは「製作費」と書いたんだけど、その製作費が1000万から2000万という答えが来てる。
これは上記の区分で言うと「制作費」のほうじゃないかと思うんだけど。
宣伝費込みで1000万から2000万じゃ、いくらなんでも安すぎるような気がするんだけど。
ここらへんは、よくわからないなあ。
第一、宣伝費がどの程度まで含まれるのかもわからないし。
たとえば、広告代理店が中抜きする費用まで宣伝費に入るのなら、それはもっと高くなるはずだし。


まあ、とりあえず、ここからは「制作費」についての話。


アニメの予算・制作費を語る


TVアニメ&OVA 1話当たりの予算

1982年 マクロス.           550万円
1988年 銀河英雄伝説.          1000万円
1989年 トップをねらえ        1300万円(制作費2200万円)
1994年 ダーティペアflash       1660万円
1994年 スパイダーマン.         4120万円
1994年 Mega Man.            3090万円
1995年 エヴァンゲリオン.       625万円
1996年 エスカフローネ         3000万円
1998年 カウボーイ・ビバップ    2000万円
1999年 Futurama            1億円
2000年 ワンピース.          1000万円
2000年 ゾイド               900万円
2001年 シスタープリンセス     550万円
2002年 ガンスリンガーガール....  1300万円
2002年 ガンダムSEED         2500万円
2002年 攻殻機動隊         3000万円
2003年 カレイドスター         1800万円
2003年 鉄腕アトム.          3000万円
2004年 SEED DESTINY         3300万円
2004年 SAMURAI 7.           3200万円
2004年 Dragon Booster.       5450万円
2004年 Naked Samoans' Toon...  2960万円


バンビのIRに「お答えできません」と冷たく拒否られた、SEEDとSEED Destinyの予算が思いっきり出てるんだけども・・・・。
IRが教えてくれなかったのに、この情報の出所がどこだかよくわからないし、信憑性がどれだけあるのかわからないんだけれども、とりあえず、ここはこの表を元に話を進めます。
(攻殻機動隊の制作費が3000万円というのは、なにかの記事で読んだ覚えがあるので、この表はそういう情報を集めたものなのかもしれないです。ワンピースもちゃんとしたソースがあるし)


これを見てみると、まず最初に目に付くのが「1995年 エヴァンゲリオン  625万円」。


625万円・・・・。
安すぎるんですけど。
25万っていう端数が泣かせてくれる。


確かにエヴァって、ぱっと見ただけで低予算であることはわかる。
だって、キャラが動かないシーンがすごく多いし。


マクロスの550万円も安いように見えるけど、インフレ率を考えれば、エヴァのほうが安いんじゃないでしょうか。
マクロスの年代って、まだ500円札があった時代だし。
どうも調べてみたら、ちょうどマクロスの放映時期くらいが、500円札が500円玉に代わったくらいらしい。


次に気になったのが、「1998年 カウボーイ・ビバップ 2000万円」と「2003年 カレイドスター   1800万円」。
カウボーイ・ビバップが金をかけて作られているのはよく分かるんだけれども、カレイドスターが1800万円?
カウボーイ・ビバップとほぼ同じじゃないか、それじゃ。
カレイドスターって、そんなに金をかけて作られているようには見えないんですけど。
いったい、どこに金をかけたんだろう?


攻殻機動隊の3000万円は、まあ納得の数字。
ぱっと見で金かかってるのがわかるもの。
それから、ガンダムSEEDとSEED Destinyもかなり高いです。
コードギアスがもともと土6の予定だったことを考えると、これらより少し安い程度なんではないか、と勝手に推察。



「2000年 ワンピース  1000万円」。
これは不可解。
なぜ、超人気マンガが原作で、ゴールデンにやっていた番組がこんなに安いのだろう。
ワンピースのプロデューサー、清水慎治氏の話によると、


アニメプロデューサー論


ワンピースは広告代理店を通さず、フジテレビから直で仕事を受注しているらしいんだけど、随分と安いように思える。
だけど、このなかで、『「ワンピース」は、テレビ局からもらうのは900万円です。うちは人件費がかかりますから、1100万円ぐらいかかります。』と言っているのだから、本当の話なんだろう。


それから、このなかで清水慎治氏は、ワンピースの北米での展開に野望を見せているんだけれども、アメリカではこけたみたいですね、ワンピース。


米国で『ワンピース』はもはやお先真っ暗ですか



どうも、向こうの会社がいろいろといじったのが原因みたい。
ワンピースはアメリカで受けそうな気がするけどなー。
ナルトがあれだけ成功してるんだし。
ワンピースのほうが、ナルトよりもわかりやすいように思うんだけど。


素人考えかもしれないけれども、アニメにかかる費用って、結局のところは「どれだけ枚数を使うか」ってことじゃないのだろうか。
もちろん、監督その他へのギャラや、また3DCGを使ったりすると高くなるらしいんだけど、とりあえず、私の場合はアニメがよく動いていると、「あー、金がかかってるんだなー」って思う。
そういえば、のだめカンタービレのアニメ。
あれの最初のほうって、ぜんぜん動かないからびっくりした。
演奏シーンなんて、止まってる絵をえんえん見せられるだけだったし。
演奏シーンを動かしてみせるのが難しいのは、よくわかる。
音とあわせなきゃいけないし、描くのも大変だろうということは素人ながらわかるんだけど、それにしたって動かなすぎだった。
しかし、最近は演奏シーンとかも、ちゃんと動いてたりしますね。
あれって、どうやって描いてるんだろう。
実際に演奏しているところを実写で撮って、それをトレースしてるのかな。



経済産業省 「アニメーション産業の現状と課題」



まあ、よく言われていることだけれども、広告代理店とテレビ局のピンはねってのはすごいな。


「4 テレビアニメーション番組ビジネス(例)」のところなんだけれども、まず最初にスポンサーから5000万円が出ました。
そのうち、4000万円程度を広告代理店とテレビ局がピンはね。
で、残った1000万円程度が制作会社に。
この1000万円でアニメを作れ、って話になってる。


なんなんだろ、この中間搾取ってのは。
実際に物を創ってる人間に金が回らず、ただピンはねしてるだけの人間が肥え太るってのは、激しく納得いかない。


アニメーターのなかには、年収が100万円以下の人間が多数いることは知られているけど、広告代理店とテレビ局の平均年収がこれ。



電通     1335万円

博報堂    1271万円

フジテレビ  1574万円

TBS      1560万円

日本テレビ  1431万円 

テレビ東京  1219万円



もちろん広告代理店、テレビ局がアニメだけで儲けているわけじゃないけど、いくらなんでも差がありすぎ。


特にテレビ局なんてのは、日本でいちばんの既得権益者じゃないか、と思うんだけど。
というのも、たとえば建設会社の談合ってのが時々ニュースに出たりする。
談合の何が悪いかっていうと、「自由な競争をなくして、需要と供給による価格調節を無くしてしまう」ところなわけだ。

それでテレビ局は、その「建設会社の談合」を糾弾したりするわけだけど、それじゃあ、あんたらはなんなの?ってこと。
テレビ局ってのは電波法で競争相手の新規参入が阻まれている状態なわけ。
つまり、競争相手が限定されたぬるま湯のなかで仕事してる。
それなのに、どうして建設会社の談合を平気で糾弾できるんだかわけがわからん。
「自由な競争原理」から最も隔離されているのがテレビ局じゃないのか。
テレビ局に比べたら、建設会社のほうが、ずっと競争原理にさらされてるだろうに。


外国なんかでは、テレビ局は国に電波料を払うのが一般的らしいんだけど、これは確かにまともな制度だと思う。
電波帯は国民共有の財産なわけだから、それを使用するのに金を払うのは当然。



しかし、こういうのは本当にどうにかならんもんですかねえ。
アニメーター達のやる気だけに依存してる状態は不健康だと思うんだけど。
ちゃんと、人並みの収入も確保してやらないと、人材が集まらないだろうに。
とりあえず、テレビ局の人間の報酬は一律20%カットな。
そのぶんを、制作会社に回すように。


メディア業界の偽装請負について


 テレビ番組の制作現場も同様だ。制作の現場では、たいていの場合、テレビ局の正社員であるプロデューサーが責任者兼権力者であるが、どの番組でも、たぶん、テレビ局の局員よりも、制作会社の社員の方が、関わるスタッフの数が多いし、さらに、例の「あるある・・・」の場合のように、この制作会社がさらに下請けを使っているケースもあるが、番組に関わる人々は、大半が一つの現場で、プロデューサーなりディレクターの指示の下に動いている。そして、テレビ局が、たとえば、下請け会社の社員の社会保険について気にしているとは思えない(私の推測です。ちがっていたら、どなたか教えて下さい)。もちろん年収は、個人差があるとしても、一段階下るごとにざっと半分だろう(孫請けでは4分の1)。


*このなかで、ワンピースのプロデューサーの清水慎治氏の話を出したんですけど、そのなかの以下の部分が面白かったんで紹介してみます。
制作費云々とは全然関係ないんだけど。



ワンピースにはルフィという主人公のほか、ゾロという剣豪、料理人で女性の優しいサンジ、ナミというおきゃんな女の子、チョッパーというトナカイ、ウソップ、ニコ・ロビンがいる。普通だとサンジとかゾロがかなり人気で、もちろん人気はあるんですが、ルフィが今でも一番人気だというのが、ワンピースのすごいところなんです。
僕はこれがやりたかったんですよ。少年マンガを読むとき、その主人公を通してものを見ていくものです。だから、ワンピースでもゾロやサンジにいくら人気があっても、脇役にスポットをあてない。人の作品をあまり批判するのは悪いですが、はっきり言ってしまうと、「NARUTO」はそこで失敗してしまったんですね。NINJA学園にナルトという落ちこぼれがいて、カカシ先生とか格好いい脇役がいるのですが、その格好いいキャラクターに媚びてしまったんです。確かに、中高生の女の子達はキャーキャー言って煽るのですが、脇役を綺麗に作りすぎてしまって、肝心の主人公であるナルトを掘り下げて、おバカだけれども強いというところを押していかなかったので、せっかくいい素材だったナルトがぼけてしまった。



うーん、だけどアニメで比較すると、ナルトのほうが私は好きですけど。
戦闘シーンとか神がかっているときがあるし。


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